「傾(かぶ)く」精神を持ちながら、品格を失わない
——映画では、歌舞伎の始まりを「傾奇者」という言葉からひもとき、「パンクであり、ストリートダンス」とも表現しています。團十郎さん自身の中にも、「傾(かぶ)く」精神はありますか?
團十郎:「傾く」精神は、絶対に失われてはいけないと思います。團十郎家の歴史でいうと、初代から八代目ぐらいまでは時代とともに生きていたのです。
九代目團十郎が「天覧歌舞伎」を実現させて、いい意味でも悪い意味でも、歌舞伎の敷居をぐっと上げました。そこから歌舞伎が今の伝統文化として残っていると言っても過言ではありません。
代々の團十郎は、「傾く」ことを根底にスタートしながら、それを文化、伝統として昇華してきたのだと思います。
——これからの歌舞伎について、どんな未来を思い描いていますか?
團十郎:2026年の現在から、速い速度で世の中が変わっていくでしょう。
その中で大事なのは、日本人にとっての歌舞伎、文化、人の心だと思います。
日本人が持っているものの考え方、佇まい、息遣い、心の在り方、繊細さ、勤勉さ、優しさ、支え合う心、和をもって尊ぶということ。それは歌舞伎に限らず、お華とかお茶とか、落語やお能、狂言とか、そういったものの中にもあります。
そうした日本人の文化に共感できる俳優になっていきたいとは思いますね。






