中村芝翫さんが、シェイクスピア四大悲劇のひとつ『リア王』に挑みます。9月6日、東京・新橋演舞場で初日を迎えた本作は、演出家・井上尊晶さんとのタッグによるシェイクスピア劇シリーズの第3弾。舞台や衣裳に“和”の要素を大胆に取り入れ、新橋演舞場ならではのスケール感で描き出す新たな『リア王』です。初日に先駆けて行われた囲み取材を、舞台写真とともにレポートします。
©松竹
リア王・中村芝翫さん
焼けた能舞台に洋装×着物、新橋演舞場に現れた「和風シェイクスピア」
中村芝翫さん演じる老いた王・リアが、3人の娘に国を譲ろうとしたことから、愛情と権力をめぐる悲劇が幕を開けます。親子の情、裏切り、忠誠、孤独、そして人間の愚かさ。400年以上前に書かれた作品でありながら、現代を生きる私たちにも鋭く問いかけてくる物語です。
今回の舞台で大きな特徴となっているのが、従来の『リア王』とはひと味違う“和”の世界観です。
物語は、戦火による爆撃で廃墟と化した新橋演舞場から始まります。焼けただれた能舞台が姿を現し、衣裳や小道具にも和の趣がふんだんに取り入れられています。
さらに、背景には日本の季節の移ろいが描かれるなど、日本の美意識とシェイクスピアの悲劇が融合した舞台となっています。
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リア王・中村芝翫さん
リア王を演じる芝翫さんも、その独創的な演出には驚いたといいます。
「私はふだん歌舞伎の人間ですので、洋装でかっこよく『リア王』ができるんだなと胸を高鳴らせて稽古場にいったら、戦火に焼かれた能舞台に衣裳は着物でした」
女性陣はドレスの上に打掛を羽織り、男性陣はシャツや地頭姿など、洋と和を組み合わせた衣裳になっています。
リア王の長女ゴネリルを演じる松下由樹さんは、シェイクスピア作品への出演は今回が初めて。
「このように和装で演じるのもとても嬉しく、また緊張もしております」と、その言葉に高揚感をにじませました。
花道があり、提灯が下がる新橋演舞場の空間とも相まって、「新しい『リア王』になる」と芝翫さん。
なかでも芝翫さんが注目してほしいと話すのが、物語終盤の幕切れです。新橋演舞場という劇場だからこそ生まれる演出にも期待が高まります。
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前列左から 小倉久寛さん、松下由樹さん、中村芝翫さん、村田雄浩さん、後列左から 二反田雅澄さん、井上小百合さん、三浦涼介さん、朝月希和さん、大野拓朗さん







