「名跡の重さを背負い続けることは正義ではない」
——「團十郎」を受け継ぐことについて、どのように向き合っていらっしゃいますか?
團十郎:重たい名跡だとは思っています。
でも、それを呪縛として背負い続けることは、正義ではない。自分自身でそれを受け入れて昇華して生きるということが、ある意味、新しいことではないでしょうか。
海老蔵時代は、一般の皆様が見て新しいと思えることに挑戦してきました。
ただ、團十郎の名前でやる「新しいこと」は、いままでやってきたこととイコールではなくなってきました。
『助六由縁江戸桜』『勧進帳』などの歌舞伎十八番の時代物も、世話物も、その演劇の中に日本人が培ってきた時間軸の中で大事にしてきたけれど、我々が今忘れ去ってしまったようなことがあります。

2022年の襲名披露興行で上演された『助六由縁江戸桜』。
それを私自身が発見し、感じ直して、古典として体現していくことが「新しいこと」だと、考えるようになってきました。
いまは、「古きよきものの中に新しいものがある」というふうに切り替えてやりたいと強く思っています。
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