好きなものは“おいしく”食べる
食べたいものを食べて栄養不足を回避する
中年期以降、「塩分・糖分・脂質は控えるべき」という健康常識を守ってきた方は多いでしょう。確かに、とりすぎれば高血圧や糖尿病、脂質異常症を招き、動脈硬化が進めば脳梗塞や心筋梗塞につながります。現役世代では、それは大切な予防策でした。しかし、同じ正解が、一生涯の正解であり続けるとは限りません。高年期に入ると、同じ制限が思わぬリスクを生むことがあります。塩分は体に不可欠で、不足すれば低ナトリウム血症を起こし、意識障害やけいれんを招く場合があります。糖分も、薬を使用しながら強く制限すると低血糖に陥り、転倒や意識消失の危険があります。また、これを繰り返せば認知機能の低下や認知症リスクを高める可能性も指摘されています。脂質は細胞膜やホルモンの材料であり、控えすぎると体の組織が弱くなり、免疫力や回復力の低下にもつながります。
これまでの健康常識が、そのまま人生後半にも通用するとは限りません。必要な栄養を不足させないことが、むしろ重要になります。「食べたい」という気持ちは、体が求めているサインであることもあります。
もちろん節度は必要ですが、過度なガマンが強いストレスになれば本末転倒です。好きなものをおいしく味わうことは、脳と体を守る老活の一環なのです。

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