重々しい古典劇のイメージを覆す、スピーディーで惹き込まれる展開
一方、グロスター伯爵(山路和弘)家でも不穏な動きが。

撮影:田中亜紀
(左から)グロスター伯爵役・山路和弘さん、エドマンド役・前田公輝さん
私生児のエドマンド(前田公輝)が、嫡男・エドガー(井之脇海さん)の地位を奪おうと画策。野心の強いエドマンドと、疑うことを知らず相手を信じてしまうエドガーの純粋無垢さが対照的です。

撮影:田中亜紀
(左から)エドマンド役・前田公輝さん、エドガー役・井之脇海さん
策略にはまったエドガーは逃走。

撮影:田中亜紀
(左から)リア王役・内野聖陽さん、エドガー役・井之脇海さん、グロスター伯爵役・山路和弘さん
エドガーは身を守るために狂人の「あわれなトム」に変装し、半裸で荒野をさまよいます。

撮影:田中亜紀
(左から)道化役・清水くるみさん、リア王役・内野聖陽さん、エドガー役・井之脇海さん
そしてまた、悲惨な境遇の中で狂気に陥ったリアも、吹きさらしの大地で放浪の身となります。
古典をもとにした悲劇の作品とあって、厳かで重々しい雰囲気の舞台を想像しがちですが、本作はテンポよく物語が進み、ときにくすっと笑えるシーンも。作品の世界に引き込まれる体験を、ぜひ劇場で味わってみてください。
役に込めたそれぞれの思い——キャスト・演出陣が語る『リア王』の魅力
演出・森新太郎さん
いまの気持ちをどう語ればよいのか。正気を失ったリアのように、荒野を彷徨い続けている、そんな心境です。行けども行けども、果てが見えない。演出家として、こういう経験は滅多にありません。いよいよ開幕です。
皆様と共に、この風雨にけぶる荒野の先へと足を踏み出せたらと思います。劇場にてお待ちしております。
リア王役・内野聖陽さん
この作品が持つ現代性は、多くのところで語られています。でも、僕がこの作品への理解を深める中で感じてきたことは、人間という動物の愚かしさや哀しさ、そして、面白さです。
古代ブリテン王国というおとぎ話の中にどっぷりと浸かって楽しんで頂けるよう、最後まで頑張りたいと思っています。是非劇場でお楽しみください。
エドマンド役・前田公輝さん
経験豊かな先輩方に囲まれ、森さんの演出のもとで、これまで挑戦したことのないお芝居や表現方法に触れ、日々新しい体験をさせていただいております。
17世紀から現代にも通ずる、シェイクスピアの悲劇『リア王』が描く真実と愛の物語。ぜひ劇場でその世界をご体感いただき、いつの間にか作品へ没入しているような時間を楽しんでいただけたら嬉しいです。
エドガー役・井之脇海さん
エドガーの背負っている悲哀は、とてつもなく深く、どう自分の中に落とし込むか、迷って、試して、また迷って。稽古期間は、ひたすらその繰り返しでした。
ですが、今まで知らなかった自分と出会えている感覚もあり、森さんの演出にも助けていただきながら、僕らしいエドガーが生まれてきている手応えがあります。
本番も全力で生き抜いて、最後までエドガーと向き合いたいと思います。
ケント伯爵役・杉本哲太さん
シェイクスピアのリア王と言う大作に参加できることに大きな喜びと同時に身の引き締まる思いがあります。
私が演じますケントという役は非常に強い忠誠心を持った人です。周囲の人間関係がどんどん崩れていく中で最後までリアを見捨てないその愚直さというか、不器用なほどの愛情がケントという人物なのかと……。
親子の愛や、裏切り、老い、孤独、そして人を信じることなど、今を生きる私たちにも身近な感情だと思います。難しく考えず、登場人物たちのぶつかり合いや揺れ動く心を感じていただけたら嬉しいです。
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