不自由さは体だけではなく心の元気まで奪ってしまいます

しばらくして、友人の一人が「少しだけ海に入ってみる?」と誘ってくれました。そのひと言が、どれほど嬉しかったことか。ただ、海へ入るまでが一苦労です。砂浜を普通に歩くと激痛が走るため、片足でケンケンをしながら進み、無理な場所では砂浜を這うように前進。いま思い返しても、なかなかの光景だったと思います。
案の定、見知らぬ人から“Are you OK? Did you get stungby a jellyfish?”(大丈夫? クラゲに刺されたの?)と心配されてしまいました。まさか骨折した足で海へ入りに行こうとしているとは思わなかったのでしょう。「いえ、骨折です」と答えながら、自分でも少しおかしくなってしまいました。
それでもなんとか海へたどり着きました。海の中では友人たちとおしゃべりをしたり、のんびり泳いだり。気がつけば1時間ほど海で過ごしていました。もちろん足は使えませんし、普段のように自由に泳げるわけではありません。それでも久しぶりの海はやっぱり気持ちのいいものでした。海に入れたことも嬉しかったのですが、それ以上に友人たちと過ごす時間が楽しかったのです。
怪我をすると、どうしても「できないこと」ばかりに目が向きがちです。でもあの海の日、私はできなかったことよりも、「まだできること」のほうに目を向けられた気がしました。そしてなにより、手を差し伸べてくれた友人たちのやさしさが深く心に沁みました。
今回の骨折で改めて身に染みて感じたのは、健康のありがたさです。私たちは普段、自分の足で歩き、好きな場所へ行き、好きなことをしています。あまりに当たり前過ぎて忘れてしまいがちですが、ほんの小さな骨1本を痛めただけで、日常生活は驚くほど不便になってしまうのです。
骨折して数日後には、Amazon でニー・スクーターを注文しました。膝を乗せて移動する小さな乗り物なのですが、これが想像以上に便利! プールの駐車場からプールまで。スーパーの駐車場から店内まで。歩くと痛い距離でも、ニー・スクーターがあるだけでずいぶん気持ちが楽になります。
骨折して初めて知りましたが、世の中には本当にいろいろな便利グッズがあるものです。とはいえ、自由に歩けないことには変わりありません。そして不思議なことに、不自由さは体だけではなく心の元気まで奪ってしまいます。ハワイの空は相変わらず青いし、海も変わらず美しい。にもかかわらず、気分が晴れない瞬間があるのです。そんな自分に少し驚きました。環境が人を幸せにしてくれる部分はもちろんあります。でも最後はやはり健康なのだと実感しました。
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モデル・タレント リサ・ステッグマイヤーさん
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