「自分が体現したいもの」――幸四郎が語る秀山祭
幸四郎さんにとって「秀山祭」は、自身が受け継いできたものを、いまの時代の観客へ届ける場でもあります。
「自分自身、父、叔父から伝わる演目が一番好きなものです。難しいお役が多いですが、かといって重い芝居ばかりではありません。広い芸の幅があり、その役の心情を掘り下げる役作りが魅力です」
「自分が素晴らしいと思っている演目や芸を信じて、それをいかに今の時代に受け入れていただくかという挑戦だとも感じています」

松本幸四郎さん
今年で20年を迎える「秀山祭」。最初の公演を前に、父・二世松本白鸚さん、叔父・二世吉右衛門さん、そして幸四郎さんの3人で会見に臨みました。
「父の本当に嬉しそうな表情、秀山祭が始まることへの叔父の感極まるような高揚感を覚えています」
そこから「秀山祭」が今まで続いてきたのは、そこに関わってきた多くの役者たちの思いがあったからこそだと幸四郎さんは振り返ります。
「ただ、それを体現できるのは今いる役者ですので、しっかりと、秀山祭のカラーを感じていただけるようにしっかりと勤めてまいります」
受け継ぐだけではなく、自らの芸として次の時代へ手渡していく――。節目の年を迎えた「秀山祭九月大歌舞伎」は、幸四郎さん、染五郎さん、それぞれの現在地と、これからの歩みを感じる舞台となりそうです。

右から、松本幸四郎さん、市川染五郎さん



