芸の根底にある情熱と愛情を観客へ届けたい
「秀山祭」を語るうえで欠かせないのが、初世吉右衛門さんから二世吉右衛門さんへ、そして現在の役者たちへと継承されてきた芸です。
幸四郎さんは、「極められている芸がないと勤められない役ですので、しっかりもう稽古をするしかない」と話します。
叔父である二世吉右衛門さんから伝え聞いた、初世吉右衛門さんの芸。その根底にあったのは「情熱」だったといいます。
「役や作品、そして歌舞伎に対する愛情をすごく強く感じられるからこそ、今もこうした演目が上演できる。その芝居への情熱を感じていただけるような秀山祭にしたいと思います」

松本幸四郎さん
一方、染五郎さんは、二世吉右衛門さんから直接、役について教わる機会はありませんでした。それでも、祖父である二世松本白鸚さんや父・幸四郎さんを通して、自分の中に取り込んでいこうとしています。
「大叔父もおそらく初代には直接教わっていません。十七代目中村勘三郎のおじ様から、初代の教えを受けたという流れのなか、大叔父は二代目として播磨屋の芸の匂いを残した人。それを教わった父が体現したものを、また共有してもらうような、分けてもらうような感覚でいます」
それは「今回だけの課題ではない」と続けます。
「自分自身は高麗屋ですが、父が大叔父から学んだ播磨屋の芸の匂いを体現すること、これは今回の秀山祭というよりも、生涯かけて追い求めていくひとつの課題です」



