「『あ、こういうことか』と思えた瞬間、太郎に近づいている自分が恐ろしくなった」
小瀧さんは、太郎という人物を理解することは試行錯誤の連続だったと振り返ります。
「太郎の選択は、小瀧望にはない選択が多い。それはなぜなんだろうと考えるのは楽しかったですが、出口の見えない模索のように感じた時期もありました」
特にラストシーンについては、とことん考え続けたそうです。
「『こうすれば効率がいいのに、なんでこうしなかったんだろう』と、ずっと考えながら演じていました。でも、ある日『あ、こういうことか』と思えた瞬間があって。そのとき、どんどん自分が太郎に近づいているようでちょっと恐ろしくなりました」
「この原石のような作品を、お客様にも一緒に磨いてほしい」
最後に藤田さんは、本作の魅力について、「作劇上の大きな趣向としては、喜劇に見せかけた悲劇や、悲劇に見せかけた喜劇がたくさんあります」と語りました。
「“村”という共同体を、よきものが変化させるのではなく、太郎という“悪”なるものが変えていく。その仕掛けがどこに潜んでいるのか、お客様に発見していただけたらと思います」

撮影:岡千里
太郎に惹かれるお京は、たよりにならない夫・五助(小柳心)に冷たくふるまう。
「キャスト・スタッフで何度もディスカッションを重ね、その仕掛けをお客様に楽しんで発見していただけるように作りました。たくさんのお客様に見ていただきながら、この原石のような作品を磨いていただけたらうれしいです」
と締めくくりました。
PARCO PRODUCE 2026
『うま -馬に乗ってこの世の外へ-』
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