60 代をどう生きるかで、これからの人生の輝きは変わります。
新連載「人生の処方箋」第1 回は、ドモホルンリンクルを多くのファンを持つ日本有数のブランドに育て上げた、西川グループの西川通子さんが登場。
数々の経験を重ねた彼女が語る、心豊かに生きる極意とは。編集長・神下敬子がお伺いしました。
無我夢中で仕事にまい進してきた人生

私たちにとって身近な存在であるドモホルンリンクルを製造・販売する再春館製薬所は、お客様をはじめ、社員や取引先に至るまで、いつも温かいまごころを届けてくれる会社です。折にふれ、編集部に送ってくださる季節のお便りや、スタッフ総出で作っているというお歳暮のひとつひとつにも、深いやさしさが宿っていると感じます。
その再春館製薬所の礎を築いたのが、西川通子さんです。創業期から60歳で社長職を退くまで、「感謝する」気持ちを会社のフィロソフィー(企業理念)として確立したという、これまでの歩みについて伺いました。
「私が結婚したのは20歳のとき。主人には先見の明があり、『これからは警備が必要になる時代だ』と、今年創業55周年を迎える警備会社を立ち上げることになったんです。
とはいえ、必要な資金もないし、融資の手当てもない。どうしたものかと途方に暮れていると、『あちらから10万、こちらから20万』と、お金を融通してくださる方が現れたのです。もちろん最初から上手くいくわけはなく、まさに自転車操業。一件一件地道に契約先を増やし、初の黒字化を達成したとき、改めて皆様への感謝を強く実感しました。
これからは等身大の私にできることで、お客様、社員とそのご家族、協力会社、そして地域に恩返しをしていきたい。『社会の役に立つ仕事をする』地球規模と言うと大げさですが、その思いが私の経営の原点です」
運命の会社との出会いと失敗
そして36歳のとき、新たにご主人が当時経営難に陥っていた再春館製薬所の事業継承を提案します。古くから生薬を使った医薬品の製造販売を行い、年齢肌への打ち手として「コラーゲン」を日本で初めて配合した「ドモホルンリンクル」を生み出した会社でした。
「その話を聞いたとき、ぜひやってみたいと直感しました。商品のよさはもちろんのこと、熊本から全国のお客様へ直接商品をお届けできる通信販売という形態に、大きな可能性を感じたからです。しかし、お恥ずかしいことに、当初私たちは大きな過ちを犯してしまいました。電話での強引な勧誘を行っていたことで、たくさんのお客様から猛烈なお叱りを受けたのです。『いい商品を作っているのに、なぜそんな売り方をするのか』と。
深く反省し、私たちは売上至上主義からお客様第一主義へと生まれ変わるべく、組織のあり方を根底から改めました。こちらから『ありがとうございます』と言うのは当然のこと。そうではなく、お客様のほうから『ありがとう』と言っていただける会社を目指さなければと、思いを新たにしたのです。それ以来、目に見えない通信販売だからこそ、お客様との一期一会のコミュニケーションをなによりも大切に、商品の製造・販売を続けています」
1974年に日本で初めてコラーゲンを配合した基礎化粧品「ドモホルンリンクル5」が誕生。発売当時のクラシカルなパッケージ。
乳白色のマットな質感が美しいローションのボトルには、美容成分だけでなく思いやりもたっぷり。握りやすく、ふたを開けやすい仕様が嬉しい。「お客様の立場に立つだけでは足りない。なりきらなければわからない」という、西川さんの理念が反映されています。







