素敵世代へ贈る韓国⽂学案内(1)
家族のために心を砕く女性たち その葛藤をすくい上げる物語
『ケアする心』

キム・ユダム 著 小山内園子 訳 ¥2,420 白水社
ケアすることの重さと矛盾を鋭くすくい上げた、珠玉の作品集。祖母の看病を担う長男の嫁、育休中の母親、同い年の子をもつママ友、認知症の父を施設に預けた専業主婦――。
本書に収められた10 篇の主人公はいずれも、家族のケアを引き受けながら日常を生きる女性たち。ワンオペ育児や介護に追われ、周囲からは誰かのために尽くすことを当然とされるなかで、彼女たちは不安や孤独、嫌悪、愛着と憎しみの入り混じった感情を抱え込む。そして、静かな日常の奥で積み重なる葛藤は、やがて思いがけないかたちで噴き出す。
「誰かのために、自分を犠牲にする辛さ。ケアという言葉がはらむ危うさは他人事ではありません」(小山内さん)
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