【スタジオジブリの名作が舞台に甦る!】
スーパー歌舞伎『 もののけ姫』
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スピード感とスペクタクル、そして力強い物語性によって、演劇の新しい地平を切り開いてきたスーパー歌舞伎。
この夏、『もののけ姫』がその新作として東京・新橋演舞場で上演されます。
「タタリ神」により呪いを受けた少年アシタカを演じるのは市川團子さん。
人間と自然の相剋を壮大なスケールで描き、世代を超えて多くの人々の心に刻まれた原作にどう挑むのか。
「俳優として、一層の覚悟を決めるタイミングとなる作品に出合えた」團子さんが語る言葉には、新作にかける思いが逬ります。
アシタカは言葉ではなく姿勢で己を語る人
原作では、アシタカがタタリ神と戦い、呪いを受けて村を離れることになるまでの冒頭の展開がとてもスピーディ。こうした場面が、どのように舞台化されるのかも気になるところです。
「歌舞伎においては、物語の運び方が原作とは変わってくることになるでしょう。原作を歌舞伎に落とし込むうえで、どうしても変化が出てくる部分もあると思いますが、そうした物語の波は、演出の横内さんが作ってくださいます」
團子さんは『もののけ姫』を、「正しさ」について問い直す物語だと捉えています。
「アシタカ、サン、エボシには、それぞれの正義があり、その思いを貫いたときに、大きくすれ違ってしまうことになる。物語をご覧になるお客様に歌舞伎の面白さを感じていただくのと同時に、『正しさとはなんだろう』と考えていただけるような舞台になったらと思っています」
物語のクライマックスでは、人間が作ったものも自然もすべてが破壊され、ひとつの時代が終わり、そこから新しい形で再生が始まります。
「僕が演じるアシタカは、バタフライエフェクトを起こす存在なのだと思います。アシタカは自分の求める道と、サンとエボを探そうとして全力であがきますが、運命は変えられなかった。でも、ひたむきに行動するアシタカの姿を見て感動する人がいて、その人のなかできっと変化が起きる。そこから何十年何百年の単位で見通したときに、アシタカの行動が未来において影響力を持ち、なにかを変えていくのではないか、そんな気がしています」
アシタカの生き方について、自分の軸を問い直される作品だとも團子さんは感じています。
「呪いを受けて村を追われ、孤独な人生が始まるわけですが、アシタカは一切腐らないんですよね。それどころか、自分にかけられた呪いの真実を確かめに旅に出る。運命を静かに受け入れて、その運命を見定めるために一所懸命に生きる。アシタカは姿勢で語る人なのだと思います。
私の憧れである祖父は『上手いか、きれいか、一所懸命か、役者はこの3つのうちのどれかがないと見ていられない。僕はとにかく一所懸命にやるんだ』と、よく言っていたそうです。僕はこの言葉を大切にしたい。僕はなにもできないので、とにかく一所懸命に挑みたいんです。アシタカのひたむきな姿勢に少しでも近づけるよう努めます」
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