日常ではもちろん、旅やちょっとドレスアップする日などさまざまなシーンで華やかなムードを醸し出す花柄。
素敵世代を、より魅力的に引き立ててくれるフローラルとは?
柄が持つ甘さを上手くコントロールする術をスタイリストの坂本久仁子さんが伝授してくれました。
【今月のテーマ】花柄
ブラウス¥126,500、中に着たドレス¥184,800/ともにヌメロ ヴェントゥーノ(イザ)、ピアス¥75,900、ブレスレット¥156,200、リング(指先から)¥71,500、リング¥63,800/すべてヒロタカ(ヒロタカ 表参道ヒルズ)、バッグ¥69,300/マエストソ(アマン)、シューズ¥69,300/ネブローニ
ふくらんだ蕾がほころび、色とりどりの花が咲き誇る春。そんな心躍る風情に誘われ、まといたくなるのが花柄です。これまで、エスニック、可憐、ヴィンテージ調など、さまざまな花柄と出合ってきた素敵世代ですが、いま重視すべきポイントは、モダンであるかどうか。
もともとロマンティックなテイストだからこそ気を配りたいのが、甘さの匙加減です。乙女感やナチュラル度が高くならないようにするためには、色使いやデザイン、シルエットなどを吟味し、ほんの少しモード感を漂わせることが大切になってきます。
たとえば、上ページのスリップドレスにオープンカラーのブラウスを重ねたスタイルは、甘辛バランスが絶妙! 前から見ると、どこか懐かしさを感じる雰囲気ですが、バックスタイルは意外性のあるシンプルな黒。このギャップに、ハッとさせられました。やさしさと強さ、軽やかさと重厚感というような相反するものが1着の服で表現されていて、花柄イコール甘いもの、という概念に新しい風を吹き込んでいるように感じます。足元は、オープントゥのサンダルで抜け感を出しつつ、セットアップの黒をリンクさせ、キリッと引き締めました。
モードなレース服を選びデニムを組み合わせることで甘さをコントロールして
シャツ¥102,300、スカート¥227,700/ともにアーデム、バッグ¥141,900、シューズ¥137,500/ともにロド(すべてメゾン・ディセット)、ピアス¥286,000、ネックレス¥286,000/ともにシンティランテ(イセタンサローネ 東京ミッドタウン)
神秘的なブルーのカーネーションが印象的なアイテムは、2005年からスタートしたイギリスブランド「アーデム」のもの。毎シーズン、刺しゅうやプリントでさまざまな植物モチーフを表現していることもあり、花柄といえば? と考えたときにパッと思い浮かびました。単色で抽象的に描かれたカーネーションからは、静かなる華やかさが漂います。タイトなシルエットのボトムスも、シックさを加速させるポイントに。
また、シャツはコットン、スカートはシルクという異素材でメリハリをつけることで、ワンピースとはひと味違う見た目を楽しむことができます。淡いトーンのかごバッグや白のTストラップサンダルを合わせて、涼しげで軽やかな初夏を演出しました。
今回、2ポーズともセットアップを選び、全身で取り入れてみましたが、単品使いでもその存在感は抜群。花柄のシャツとデニムパンツのカジュアルミックスは最高の相性ですし、白のバギーパンツとならクリーンなエレガントを満喫することもできます。気温の上昇とともに、高揚感溢れる大人フローラルの世界を堪能してみてください。
撮影/最上裕美子 スタイリスト&モデル/坂本久仁子 ヘア&メイク/高松由佳 文/三宅桃子
※素敵なあの人2025年6月号「スタイリスト坂本久仁子のおしゃれのかけひき」より
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