全国の観光地同様、インバウンドにわく愛媛・松山。いまだからこそ、私たちもその魅力を深く知るべし。伝統の味や、地場の食材を生かしたひと皿を訪ねました。鯛めしにワタリガニ……松山ならではの美食に舌鼓。
私たちが旅しました!
右/本誌編集長・神下敬子。おいしいもののためならどこまでも行く食いしん坊。
左/料理家・土屋由美さん。神奈川県葉山の自宅で料理教室や自宅カフェ「cafe manimani」 を運営。飲食店の料理監修でも活躍している。
ご当地グルメと新鮮な海鮮料理を心ゆくまで
四国地方の北西に位置する愛媛県は松山市周辺を中予、その東側を東予、南側を南予と呼び、ルーツを同じくしながら、それぞれ独自の発展を遂げたつの食文化があるといわれます。そのいい例が鯛めし。中予の松山や東予地方では鯛を米にのせて炊き上げますが、南予の宇和地方は白米に刺し身をのせ、たれをかけて食します。
「今回、初めて〝松山鯛めし〟をいただき、鯛出汁が染み込んだご飯のおいしさに感動。愛媛が酒どころであることも初めて知りました。日本酒の味もつの地域ごとに個性があるそうで、じっくり飲み比べてみたい。酒蔵から料理店、カフェまで、どこも県産の食材にこだわり、地産地消で地元を盛りあげようという気概を感じました」と土屋さん。編集長・神下も「とにかくお魚がおいしくてリーズナブル!私のお気に入りは、B級ご当地グルメのじゃこカツ。独特の食感のとりこです(笑)」と大満足。
【郷土料理 五志喜】創業380年超の老舗で味わう、郷土料理の数々
松山最初の食事は土屋さんが「ギノーみその方に教えていただきました」という「郷土料理五志喜」へ。創業は寛永12年(1635年)。江戸時代初期から380余年、のれんを守り続けている老舗中の老舗です。「もしや敷居の高いお店では?」と思いきや、お料理はどれもお手ごろ。お品書きには名物鯛そうめんから鯛めし、じゃこカツ、麦みそのおみそ汁など愛媛の美味が勢揃い。さまざまな郷土料理をおなかの許す限り味わい尽くしました。
鯛アラと昆布などで出汁をとり、鯛の切り身とともに炊いた「松山鯛めし」。「切り身はふっくら、鯛出汁の旨みを含んだご飯がたまりません」と土屋さん。
みかん果汁で炊いた「伊予のみかん寿司」。
小魚を丸ごとすり潰して揚げる「じゃこ天」は栄養満点。
もっちりした歯ごたえの「じゃこカツ」。
甘い麦みそのおみそ汁が体に染みます。みそは「ギノーみそ」のものを使っているそう。
お店の外観
DATA
住所 愛媛県松山市三番町3-5-4
電話番号 089-933-3838
営業時間 11:00〜14:00(L.O.13:30)、17:00〜21:00(L.O.20:20)、土曜・祝前日のみ17:00〜22:00(L.O.21:20)
休 不定休
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