60代は体が冷えやすい年代。「冷えといえば冬」というイメージが強いですが、実はいま増えているのが夏の冷え。そこには、夏ならではの習慣が原因となって起こる血行不良が関係しています。そのメカニズムと対策法を、温活ドクターとして知られる内科医の石原新菜先生に伺いました。
さまざまな不調を招く夏冷え。素敵世代は特に要注意
素敵世代の多くが悩む夏の冷えについて、温活ドクターとして知られる内科医の石原先生にお話を伺いました。
「多くの年代で、夏の冷えに悩む人が増えています。いまや自宅や電車内、飲食店やオフィスなど、どこでもクーラーが強く効いていて、冷たい空気の中で過ごす時間が長くなっていますよね。さらに冷たい飲み物や食べ物をとる機会も多く、結果、体が外側からも内側からも冷えてしまうのです。
特に、素敵世代は冷えやすい年代。原因のひとつが、加齢に伴う筋力の低下です。体温の40%は筋肉が作り出していますが、筋肉量は20代をピークに落ちていきます。60代になると大幅に筋力が低下し、熱が作られにくくなります。さらに女性ホルモンの低下も影響して代謝が下がり、それにより血液のめぐりが悪くなって、体温が全身に行き届かず体が冷えるのです
また、加齢による血管の“ゴースト化”も大きな要因になります。私達の体のすみずみまで広がっている毛細血管。それが老化し、最終的に血液が通わなくなることを“ゴースト化”といいます。毛細血管がゴースト化すると体の末端まで血液が流れなくなるため、熱が行き届かず、冷えを招くのです」
素敵世代が気をつけたい、夏冷えの悪循環