「フワフワとした浮遊感があって、まっすぐ歩けているか不安になる……」
「立ち上がった瞬間にクラッとして、倒れそうになることがある……」
などの悩みを抱えていませんか? めまいが続くと日常生活に支障が出ることもあるので、放置せず早めに対策することが大切です。今回は60代になると慢性的なめまいが起こりやすくなる原因や、自身で取り組める具体的なセルフケア方法をご紹介します!
60代の慢性的なめまいを引き起こす原因とは?
60代で起こりやすいめまいには、耳の異常や全身の状態、自律神経の乱れまで、多岐にわたる要因が関係しています。めまいの原因を見ていきましょう。
【1】耳(内耳)のトラブル
60代のめまいで最も多い原因のひとつが「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」という内耳の疾患です。この疾患では、頭を特定の位置に動かしたときに、数秒~数十秒程度の回転性めまいが起こります。これは、内耳にある耳石から剥がれた耳石が三半規管に入り込むことが原因です。
また、メニエール病も回転性めまい発作を繰り返す疾患です。めまい以外にも、難聴や耳鳴り、耳閉感などを伴います。内耳のリンパ液のむくみ(内リンパ水腫)が原因と考えられており、ストレスや疲労が誘因となることもあります。
さらに、 内耳の感覚細胞や神経の機能が加齢とともに低下し、平衡感覚が鈍くなることも、めまいにつながる要因のひとつです。
【2】全身性の疾患
高血圧・低血圧や不整脈、貧血などの全身性の疾患などが原因でめまいが起こることもあります。
血圧の急激な変動や、慢性的な高血圧・低血圧がめまいを引き起こすことがあります。立ち上がった瞬間にクラっとくる「起立性低血圧」は、血圧の調整がうまくいかないことが原因です。
また、不整脈で心臓の拍動が不規則になると、脳への血流が一時的に不安定になり、めまいや失神を起こすことがあります。貧血の場合は、脳への酸素供給が不足し、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れなどが起こりやすくなります。
【3】首や肩のこり、自律神経の乱れ
首の筋肉の異常な緊張や、頸椎の変形などが原因で、首の動きに伴ってめまいやふらつきが起こる「頸性めまい」が起こることもあります。パソコンやスマホなどで長時間作業をしたり、肩や首に負担のかかる姿勢をとったりすると、頸性めまいにつながりやすくなるため注意しましょう。
また、ストレス、不規則な生活、更年期(男女ともに)などにより自律神経のバランスが崩れると、血圧調節や平衡機能に影響し、めまいがあらわれることもあります。