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素敵なあの人 2024年12月号

素敵なあの人 最新号

2024年12月号

2024年10月16日(水)発売
特別価格:1690円
表紙:萬田久子

素敵なあの人 2024年12月号

公開日:

ふたつの理想の姿勢とは?仕組みを理解して上手に繰り返すのが、姿勢コントロール術の要!【姿勢コントロール術】

「多くの人には、無意識に偏った姿勢を続けてしまうクセがあります」と語るのは、東京大学医学部附属病院リハビリテーション部理学療法士の山口正貴先生。同じ姿勢を続けていると体にとってはストレス。痛みや疲れ、ひいては慢性の不調の原因にもなるそう。そこで今回はどんな姿勢がストレスを和らげるのか、ふたつの理想の姿勢をご紹介します。

理想の姿勢はふたつ揃って初めて完成します

肩や首のこり、腰痛といった症状は、原因に姿勢が関わっていると言われています。姿勢によって、体に負担=ストレスがかかっているのだとか。

 では、どんな姿勢であればストレスは和らぐのでしょうか?理学療法士・山口正貴先生は、「よい姿勢と楽な姿勢を繰り返し、半分半分にする」ことに、その答えがあると言います。「『よい姿勢』とは、寄りかからず、座っているときにも背もたれを使わず、背筋をピンと伸ばした状態です。このポジションを支えているのは筋肉。筋肉を使っているので、骨や関節、靭帯にかかる負担が少なく、さらには筋肉トレーニングにもなります。医学的には『ニュートラルポジション』と呼ばれ、体の中央に重心があることで、過度な力みや偏りがなく、呼吸も深くなると言われています」

では、よい姿勢=最適な姿勢かというと、そうとは言えません。よい姿勢は、ずっとそのポジションを保っていると、筋肉は常に緊張を強いられるため疲れてしまいます。筋肉の疲れをとるためには、背筋の緊張を解く「楽な姿勢」が必要です。

 「『楽な姿勢』というのは、壁や背もたれに寄りかかったり、背筋が猫背のようになっている状態です。筋肉が休む代わりに、靭帯が骨格を支えています。靭帯とは、骨と骨をつないで関節を形成し、椎間板を支えている組織。筋肉を使わないので楽に感じますが、長時間続けていると靭帯が伸びてしまい、関節や椎間板にズレが生じ、次第にこりや痛みになります」

よい姿勢にも楽な姿勢にも、それぞれメリットとデメリットがあること。このふたつの姿勢の仕組みを理解し、上手に繰り返す「姿勢コントロール」を身につける意識と実践が、体のストレス解消のコツとなります。「同じ姿勢を続けないように意識をしつつ、疲れを感じたら、よい姿勢と楽な姿勢を入れ替えるようにしましょう」

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山口正貴先生

理学療法士 山口正貴先生

東京大学医学部附属病院リハビリテーション部理学療法士。1980年東京都生まれ。東京理科大学理学部在学中にリハビリテーションに関心を持つ。大学卒業後、2005年理学療法士免許取得、東京大学医学部附属病院に入職。2016年の研究論文で日本理学療法士学会の第8回優秀論文表彰で優秀賞受賞。『「ねたままストレッチ」で腰痛は治る!』(集英社)など著書多数。

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