肩に痛みや違和感がある……もしかしたらそれは、「六十肩」かもしれません。そのまま放っておくと、日常生活に支障が出ることも。素敵世代なら誰でもありうる六十肩とその重症化について、肩関節を専門とする整形外科医・歌島大輔先生にお話を伺いました。
素敵世代なら誰でもありうる六十肩とその重症化
「六十肩には段階があり、軽症レベルのものを肩関節周囲炎、重症化したものを癒着性肩関節包炎(別名、凍結肩)と呼ぶことが多いです。後者は、肩のいちばん深い場所にある関節包に炎症が起き、癒着してかたくなった状態。軽症は『肩が上がりにくい』程度ですが、重症になれば『肩がまったく上がらない』という深刻な状態になります。
ドイツの研究(参考文献1)によると、癒着性肩関節包炎は40〜50歳に多く見られるなか、65歳以上でも決して稀な病気ではないことが示されています。
また別の研究(参考文献2)では、60歳以上と60歳未満の癒着性肩関節包炎患者を比べたときに、60歳以上の患者のほうが治りが悪いことが示されています。つまり、六十肩もその重症化も、素敵世代なら誰にも起こりうるということ。発症したら、動作に制限が生じてできないことが増える、痛みで夜眠れなくなるなど、生活に大きな影響が出ます。起こらないための対策、そして起こったときにどうしたらいいかを知っておくことが大切です」(歌島先生)
参考文献:(1)Jacob L, Gyasi RM, Koyanagi A, Haro JM, Smith L, Kostev K. Prevalence of and Risk Factors for Adhesive Capsulitis of the Shoulder in Older Adults from Germany. J Clin Med. 2023;12(2):669.
(2)Park YS, Park YH. Adhesive capsulitis in the elderly: Comparison of magnetic resonance imaging findings with effectiveness of hydrodilatation treatment. J Korean Geriatr Soc. 2015 Sep 30;19(3):147–57.
この記事のキーワード





