認知症を防ぐ方法は日常の中にあり!
―アミロイドβを過剰に蓄積させないためにはどうしたらいいですか?
アミロイドβの排出を促すことが大切です。認知症の原因とされているものには以下のものがあります。
【1】脳内の炎症
【2】栄養バランスの偏り
【3】悪い生活習慣
順番に原因と対策を見ていきましょう。
【1】脳内の炎症
脳内の炎症は、認知症の発症や進行に深く関りがあるとされています。
―どのようなことが炎症の原因となるのですか?
脳の炎症を引き起こす原因として、喫煙、過度な飲酒、歯周病などの感染症、ダニやカビなどによるアレルギー反応などが挙げられます。特に近年ではオーラルケアの重要性が報告されており、歯を健康に保つことが認知症の予防につながると考えられています。
【2】栄養バランスの偏り
―食事はどういったことに気をつけたらいいのでしょうか。
認知症の予防には、ビタミン、ミネラル、タンパク質、必須脂肪酸を中心としたバランスのよい食生活が大切です。なかでも、ビタミンD、オメガ3(DHAやEPAなど)、水溶性食物繊維は意識してとりたい栄養素です。
逆に、認知症リスクを上げるものもあります。パン、白米、小麦粉、砂糖などの精製した糖質を過剰摂取すると、動脈硬化、肥満、糖尿病などのリスクが上がり、血管性認知症につながります。ほかにもマーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸をとりすぎると認知症リスクが上昇する可能性があるという研究結果や、うま味調味料に含まれるグルタミン酸をとりすぎると脳神経細胞を傷つけるという研究結果もあります。
【3】悪い生活習慣
―生活を整えることが認知症予防につながるんですね。
その通りです。大切なのは、「充分な睡眠」「適度な活動」「身体の清潔、」「自分で家のことを行う」ことです。
寝ている間に脳の老廃物を排出するので、睡眠はとても重要です。睡眠不足はよくありませんが、しっかり睡眠時間をとったとしても夜ふかしや朝寝坊も避けたいところ。規則正しい睡眠で、質のよい睡眠を心がけましょう。
また、適度な活動をして運動不足にならないようにすることも大切です。動くことで脳への血流をよくして脳を活性化するほか、生活習慣病の予防にもつながります。リタイア後もボランティアをするなど、社会活動に参加するのもおすすめです。
身体の清潔は、オーラルケアや手洗いなどをすることで歯周病や感染症を予防し、認知症リスクを下げることにつながります。
家事は普段からされているかもしれませんが、身のまわりのことを自分で行うことは認知機能の維持にぴったり。逆に認知症が進行すると家事全般が難しくなると考えておきましょう。