「疲れにくい体になりたい」「太りにくくスレンダーな体形になりたい」など健康にまつわる理想はあるけれど、なりたい体を手に入れるのは難しいと思っていませんか?でも、あきらめるのはまだ早いです!正しい医学の知識でなりたい体に近づく方法を、がん専門医の南雲吉則先生に教えていただきました!今回は、認知症の予防法についてです!
目次
- A子さん
将来、認知症になってしまうかもと考えると不安です。
- 南雲吉則先生
いますぐできる、認知症を予防する生活があります!
認知症の原因はいまだ解明されていません
―そもそもどうして認知症になるのでしょうか?
認知症のメカニズムはいまだに解明されていませんが、有力だと言われているのは「アミロイド仮説」といわれるもの。これは、脳内に「アミロイドβ」というたんぱく質が蓄積し、神経細胞を傷害することで認知機能の低下を引き起こすというもの。アミロイドβは通常、老廃物として短期間で分解・排出されますが、何らかの理由でそれがうまくいかなくなると脳内に蓄積し、脳細胞を傷つけてアルツハイマー型認知症の発症・進行に関与すると考えられているのです。
―認知症になると治療は難しいのでしょうか?
症状の緩和や進行を遅らせることを目指す治療はできますが、根本的な治療が難しい場合が多いのが現状です。最近では、アミロイドβの蓄積を減少させるアミロイド抗体薬のひとつ「レカネマブ」という薬が承認されましたが、こちらも進行を抑えるだけで認知症の根本治療は期待できません。いまだに認知症を完治する薬はできていません。
アミロイドβは本来、神経細胞を守り、損傷からの回復を助けるほか、脳内の免疫細胞であるミクログリアを活性化して免疫機能を調節するという働きがあるといわれています。適正量であればよい働きをしますが、多すぎると脳細胞に悪影響を及ぼすので、過剰な蓄積を防ぐことが大切です。