ポスト更年期世代の私たちの活動を大きく妨げる尿もれ。尿もれは症状ごとにいくつかの種類に分けられます。60代以降の女性に起こりやすい尿もれの種類と原因を、P&G ジャパン「ウィスパー」研究開発本部縄田さんに伺いました。
加齢や出産経験だけでなく肥満、便秘なども原因に!
ひと口に尿もれと言っても、くしゃみでもれる、急にトイレに行きたくなるなど症状はさまざまです。「多くの女性の声を聞く中で、尿失禁に悩む方が増えていて、50代、60代以降の女性はもちろんですが、産後の若い方でも尿もれの悩みは増えていると感じます。そればかりでなく、妊娠・出産経験のない方でも尿もれを経験していることがわかってきました」と縄田さん。
尿もれは、加齢や出産経験だけの理由ではないのですね。女性に多い尿トラブルで代表的なのは、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁です。腹圧性尿失禁の割合が約半数ともっとも多く、咳やくしゃみでもれるタイプです。切迫性尿失禁は、突然トイレに行きたくなり我慢できず、もれてしまうもの。自分の意思に反して膀胱の強い収縮によって急な尿意が起こる、過活動膀胱と言われる状態が背景にあります。最近では、両方を併せ持った混合性尿失禁が切迫性尿失禁よりも増えてきています。
尿もれを起こしやすい方のタイプはあるのでしょうか?「腹圧性尿失禁は、分娩経験がある方に多いですが、それだけではありません。ほかに肥満、便秘、座りっぱなしや運動不足、過度なスポーツ経験などで骨盤底筋が弱ってきていることなども原因になります。切迫性尿失禁の原因は、過活動膀胱ですが、その原因は明確にはわかっていないのです」(縄田さん)。
近年、増えている混合性尿失禁は、閉経後、デリケートゾーンに乾燥、かゆみ、痛みなどがあるGSM(閉経関連尿路性器症候群)という疾患とも複雑に関連していることがわかってきました。*女性下部尿路症状診療ガイドライン[第2 版]より