疲れたからといって依存性のあるものに頼ると休めない体に!
―疲れない体を手に入れるためには、どうしたらいいのでしょうか?
休むことで回復する「生理的疲労」への耐性は、人それぞれ体力や気力に違いがあるように個人差があります。でも、疲れにくい体を作るために大切なことはあります。それが次の4つです。
【1】依存性のあるものに頼らない
【2】必須栄養素をきちんととる
【3】適度な運動をする
【4】規則正しい生活を送る
1つずつ説明していきましょう。
【1】依存性のあるものに頼らない
―依存性のあるものとは具体的にはなんですか?
代表的なものに、コーヒーに含まれるカフェイン、タバコに含まれるニコチンなどがあります。どちらも交感神経を刺激し、眠気を覚ましたり集中力を上げたりしますが、だんだん満足する状態になるための量が増えて依存しがちです。
これらに依存すると、どうなると思いますか?本来であれば、疲労があるときは休息が必要ですよね。でも、これらに頼ると休息が必要な状態でも疲労を感じなくなってしまいます。そして疲労が蓄積しているのにコーヒーでごまかして働いてしまい、体がもっともっと疲れてしまう、といった状態に陥ってしまうのです。
―それは怖いですね。
疲れは痛みや発熱と並んで、体に危険を知らせてくれる3大アラームのひとつです。だからこそ「疲れている」と感じることが大切であり、体に疲労を感じさせない依存性のあるものに頼ることは危険なんです。
ほかにも精製した糖質、アルコール、SNSなども依存性が高いものです。疲れたら甘いものを食べると楽になる気がするし、お酒を飲むことでリフレッシュができ、SNSで気晴らしすることもできますよね。
でも、疲れたときに頼りすぎてしまうと依存状態になり、タバコやコーヒーと同様に体が疲れているのをごまかすことになってしまいます。さらに、量を減らしたりやめたりしようとすると「イライラする」「集中できない」「落ち着かない」といった禁断症状が起きてしまうことも。そうなるとそこから離れられなくなってしまい、疲労の悪循環が起きてしまいます。
【2】必須栄養素をきちんととる
―必須栄養素とは具体的に何ですか?
必須栄養素は、「ビタミン」「ミネラル」「たんぱく質」「必須脂肪酸」の4大栄養素のこと。糖質は必須栄養ではありません。サプリメントで補うのもいいですが、まずはバランスのよい食事をとり、食べ物から栄養をとることが基本です。
【3】適度な運動をする
有酸素運動やストレッチなど、適度な運動をすることで循環機能を上げることで疲れにくい体に近づきます。
―適度な運動がいいとわかっていても、なかなかできません。
理想は、朝きちんと起きてテレビ体操をすること。テレビ体操はまじめに行うと結構いい運動になります。家の中なら暑さや寒さも関係なく、年間を通して行いやすい方法です。
【4】規則正しい生活を送る
―規則正しい生活と疲労も関係があるんですね。
規則正しい生活をして自律神経を整えることで一定の体調を整えることができます。疲れたからといって寝てばかりいたら、自律神経が乱れて疲れにくい体から遠のいてしまいます。