「疲れにくい体になりたい」「太りにくくスレンダーな体形になりたい」など健康にまつわる理想はあるけれど、なりたい体を手に入れるのは難しいと思っていませんか?でも、あきらめるのはまだ早いです!正しい医学の知識でなりたい体に近づく方法を、がん専門医の南雲吉則先生に教えていただきました!今回は、「疲れにくい体を手に入れる」方法についてです!
目次
- A子さん
最近、すぐに疲れてしまって……。疲れにくい体になるのは無理なのでしょうか?
- 南雲吉則先生
そんなことありません!疲れにくい体にすることは可能です!
「疲労」とは疲労物質が蓄積され休養が必要な状態のこと
―そもそも「疲労」とはどのような状態なのでしょうか?
肉体や精神に繰り返し負荷がかかり、活動能力が低下している状態が「疲労」です。
疲労には「病的疲労」と「生理的疲労」の2種類があります。「病的疲労」はがんや貧血、うつ病など病気によって起こる疲労で、これらは病気を治療しなければ根本的に取り除くことはできません。
一方、「生理的疲労」は、休むことで回復可能な疲れのことを指します。この「生理的疲労」は「疲労」と「疲労感」の2つに分けることができます。
―「疲労」と「疲労感」はなにが違うのでしょうか?
例えば「空腹」と「空腹感」という言葉がありますが、「空腹」は十分な栄養がとれず生命維持に必要なエネルギーや栄養素が足りない“飢餓状態”のことを言います。それに対して「空腹感」は、栄養は十分足りているのに食欲を抑えられない状態です。同じように、「孤独」は社会に属さず1人で生きることで、「孤独感」は集団の中にいるのに孤独を感じることです。
これらと同じように「疲労」は体の中に疲労の原因物質が蓄積している状態です。それに対して「疲労感」は疲労の原因物質がたまっていないけれど主観的に疲れたと感じる状態のことです。土日にゆっくり休んだのに月曜日の朝から疲れたと感じるのは、「疲労」ではなく「疲労感」です。