「食事のたびにトイレが気になる」「外出先で急におなかが痛くなったらどうしよう……」そんな悩みを抱えていませんか? 下痢を気にしながら日常生活を過ごすのは、精神的に負担が大きいものです。
できることなら気にせず毎日を過ごしたいですよね。そこで今回は下痢を繰り返してしまう原因や、すぐに実践できるセルフケアをご紹介します!
なぜ?60代に多い「繰り返す下痢」の主な原因5つ
60代に多く見られる「繰り返す下痢」。その原因は年齢や生活習慣などが考えられます。具体的にどのような原因が考えられるのかを見ていきましょう。
【1】消化機能の低下
年齢を重ねていくと、唾液や胃酸、膵液といった消化酵素の分泌が自然と減少します。消化酵素の量が少なくなると、食べ物をきちんと消化・吸収できなくなり、未消化のまま腸に流れてしまいます。
また、胃腸に入った食べ物を流す「蠕動(ぜんどう)運動」が弱まったり、逆に過敏になったりすることも、消化不良や下痢を引き起こす要因のひとつです。
さらに、年齢を重ねることで腸内の善玉菌が減って悪玉菌が優位になると、腸内環境が乱れて慢性的な下痢になりやすくなります。
【2】ストレスと自律神経の乱れ
不安や緊張、心配事などが続いてストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れて腸の動きが過敏になり下痢を引き起こします。これを過敏性腸症候群(IBS)といい、腸には疾患がないにもかかわらず慢性的に下痢を繰り返すことがあります。
旅行や引っ越し、人間関係などの環境の変化のほか、急激な気温の変化などもストレスとなり得る要因のひとつです。
【3】薬剤の副作用
薬剤の副作用によって下痢を繰り返していることもあります。たとえば、抗生物質が腸内細菌のバランスを崩し、腸内環境が変わることで下痢につながることがあります。
マグネシウムを含む便秘薬などを服用している場合も、過剰摂取によって下痢になることがあるため注意が必要です。
また、一部の降圧剤や糖尿病治療薬などのなかには、副作用として下痢があらわれることがあります。高血圧や糖尿病の治療中に下痢を繰り返している場合は、主治医に相談しましょう。
【4】基礎疾患の影響
慢性的な下痢が続くときには、IBSだけでなく以下のような病気の影響も考えられます。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)
自己免疫疾患のひとつ。慢性の下痢や腹痛、血便などを伴う。
糖尿病性神経障害
糖尿病の合併症として自律神経が障害され、下痢や便秘を引き起こすことがある。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
代謝が活発になり、腸の動きも亢進して下痢になることがある。
大腸がんなど
便通異常(下痢と便秘を繰り返す、血便など)がサインとなることがある。
下痢以外にも、下痢と便秘を繰り返す、血便があるなどのサインがある場合は早急に医師に相談しましょう。(※1)
【5】からだの冷え
おなかが冷えることが下痢につながっていることもあります。エアコンや薄着、冷たい飲食物などでおなかが冷えると、腸の血行が悪くなり、機能が低下したり過敏になったりして下痢を引き起こします。
夏はエアコンの効いた部屋で過ごしたり冷たい食べ物を食べる機会が増えたりしておなかが冷え、下痢につながることがあるため注意が必要です。