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【60代ヘルスケア】夏に起こる肌のかゆみや湿疹を防ぐには?原因といますぐ始められるセルフケア2選をご紹介!【薬剤師監修】

「汗をかくと、すぐに首回りやひじの内側がかゆくなる」「毎年夏になると、原因のわからない湿疹ができて憂鬱」など、60代を迎え、夏の訪れとともにこのような肌トラブルにお悩みではありませんか?

汗ばむ季節は、ただでさえ不快指数が上がりやすいもの。それに加えて、かゆみや湿疹といった肌の不調は、日々の生活の質を大きく左右するつらい問題です。

そこで、夏になると肌トラブルが起こりやすくなる理由、とくに60代のデリケートな肌の特徴もふまえながら、その原因や、毎日のスキンケアや生活習慣で実践できる具体的な対策を詳しく解説します。

夏に肌トラブルが増える原因は?

夏に肌トラブルが増える原因は?

夏の肌トラブルは、単に「暑いから」というだけでなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。

【1】汗をかきやすくなる季節のため

汗には、塩分や尿素、アンモニアなどが微量に含まれています。これらが皮膚表面に残ると、肌への刺激となることがあるのです。とくに、汗をかいて時間が経ち、アルカリ性に傾いた汗は刺激が強くなりやすいといわれています。

また、汗が蒸発せずに皮膚の表面に長時間とどまると、角質層が水分でふやけてしまいます。ふやけた角質層はバリア機能が低下し、普段なら問題ないようなわずかな刺激にも敏感に反応しやすくなり、肌トラブルにつながってしまうのです。

【2】高温多湿な環境のため

日本の夏の特徴である高温多湿な環境は、皮膚の表面に常に存在している常在菌や、カビの一種である真菌(カンジダなど)が繁殖しやすい絶好のコンディションです。これにより、あせもが悪化して化膿したり、とびひ(伝染性膿痂疹)や皮膚カンジダ症といった他の皮膚感染症を引き起こしたりするリスクが高まります。

さらに、気温が上昇すると皮脂の分泌も活発になることも、肌トラブルにつながる要因です。過剰に分泌された皮脂が汗と混じり合うと、毛穴を詰まらせてニキビの原因になったり、酸化して肌への刺激になったりすることがあります。

【3】紫外線ダメージが大きいため

夏の強い紫外線は、肌のバリア機能を直接的に低下させます。バリア機能が弱った肌は乾燥して外部からの刺激を受けやすくなり、炎症やかゆみを引き起こしやすくなります。

また、うっかり日焼けをしてしまうと、その炎症自体がかゆみや湿疹の原因になることも少なくありません。

【4】加齢による肌の状況や免疫力の変化の場合も

上記の季節的な要因に加え、60代になると肌そのものの状態も変化してきます。

皮膚バリア機能の低下
年齢とともに、肌の潤いを保つ皮脂の分泌量が自然と減少します。また、角質層内部で水分を保持する天然保湿因子(NMF)やセラミドなども減少しやすくなるため、肌が乾燥しやすく、外部からの刺激に対して非常に敏感になります。

ターンオーバーの遅延
肌の細胞が新しく生まれ変わるサイクルである「ターンオーバー」の周期は、加齢とともに長くなる傾向があります。これにより、紫外線ダメージや炎症などで傷ついた肌の回復に時間がかかり、肌トラブルが長引きやすくなります。

免疫力の変化
加齢に伴う免疫機能の変化も、皮膚の炎症反応の起こりやすさや治まりにくさに影響を与える可能性があります。些細な刺激でも炎症が起きやすくなったり、一度起きた炎症がなかなか鎮静しなかったりするのは、こうした背景も考えられます。

 これらの要因が一つ、あるいは複数重なり合うことで、夏の肌トラブルはより複雑で厄介なものになるのです。

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この記事を書いた人

碇 純子さん

薬剤師 碇 純子さん

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

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