「暑くなると途端にからだがだるくなって動けない」「食欲がなくて、気づけば体重も落ちてしまった」60代を迎え、夏の訪れとともにこのようなお悩みを抱えていませんか? 若い頃とは違う変化を感じ、夏の暑さがからだにこたえるようになるのは、決してあなただけではありません。
この記事では、なぜ60代になると夏バテしやすくなるのかの原因を詳しく探るとともに、すぐに実践できるセルフケアを紹介していきます。
60代のからだは暑さに弱い?なぜ夏にバテてしまうの?
夏バテの主な原因は、暑さそのものと、それに対するからだの反応、そして年齢を重ねることによるからだの変化が複雑に絡み合っています。
【1】過酷な「暑さ」とからだの反応
夏の暑さに対応しようとしてからだに負担がかかることで、夏バテにつながります。
汗による消耗
夏は大量に汗をかきます。汗とともに体内の水分が失われるのはもちろんですが、実はそれだけではありません。からだに必要なミネラルなども一緒に消耗してしまうのです。この消耗が、激しい疲労感やだるさの大きな原因となります。
体温調節機能の負担増
私たちのからだは、暑い環境下でも体温を一定に保とうと懸命に働きます。この重要な体温調節機能は自律神経によってコントロールされています。
しかし、年齢とともに自律神経の働きが低下したり、暑さに対する反応が鈍くなったりするため、体温調節がうまくいかず、からだに大きな負担がかかってしまうのです。
【2】60代特有の要因
上記の一般的な夏バテの原因に加え、60代になると以下のような要因も影響してきます。
基礎代謝・筋肉量の低下
年齢を重ねることにより、何もしなくても消費されるエネルギーである基礎代謝が落ちると、筋肉量も減少する傾向にあります。筋肉は体内で熱を生み出す役割があるため、筋肉量が減ると熱産生能力が低下し、暑さに対する抵抗力も弱まることがあります。
また、筋肉は「からだの水分貯蔵庫」ともいえる存在。筋肉量が減ることで体内に蓄えられる水分量が少なくなり、脱水状態に陥りやすくなります。
水分の不足
年齢を重ねると、のどの渇きを感じにくくなることがあります。そのため、自分では気づかないうちに水分不足に陥っているケースが少なくありません。体内の水分量が減ると、血液の粘度が高まり循環が悪くなるため、疲労感やだるさを感じやすくなります。
回復力の低下
昔だったら一晩寝れば回復したような疲れも、年齢とともに回復に時間がかかるようになります。夏バテによる疲労や体調不良が長引きやすくなるのも、60代の特徴といえるでしょう。
これらの要因が複合的に絡み合い、60代の夏バテを引き起こしやすくしているのです。