長田育恵さん/人の心の機微を見つめ、命が輝く瞬間を描く
おさだ・いくえ/劇作家・脚本家・てがみ座主宰。2007年に日本劇作家協会戯曲セミナーに参加し、翌年より井上ひさし氏に師事。2016年『蜜柑とユウウツ-茨木のり子異聞-』にて第19回鶴屋南北戯曲賞、2024年NHK朝ドラ『らんまん』脚本にて芸術選奨文部科学大臣新人賞(放送部門)受賞ほか受賞多数。
2025年11月に数学者たちの葛藤を描く『存在証明(仮)』(シアタートラム、演出・眞鍋卓嗣)、同11〜12月にノーベル文学賞受賞作家ヘルマン・ヘッセの『シッダールタ』の舞台化(世田谷パブリックシアター、演出・白井晃)が控える。
『燦々』(2020年)
鬼才の絵師・葛飾北斎を父に持ち『夜桜美人図』『吉原格子先之図』を描き出した、お栄(画号は応為)の青春譚。ある日、北斎工房はシーボルトから100枚の肉筆画を西洋の画法で描くように注文を受ける。お栄は、自分の絵を摑むため、自らの光と闇を見出そうと挑んでいく……。
DVD『海越えの花たち』
てがみ座¥3,500
米谷先生おすすめのもうひとつの作品。敗戦時、朝鮮半島には百万を超える日本人が在住。日本に引揚げたときには、すでに日本に戸籍がなく、身元引受人もいない女たちに帰る場所はなかった。在韓日本人妻たちの収容施設をモチーフに、過酷な戦中戦後を生き抜こうとした女性たちの軌跡を描く物語。
*『燦々』『海越えの花たち』のDVDを、てがみ座公式サイトのオンラインショップにて発売中。