股関節を正しく鍛えて〝思いどおりに動ける体〟を保つ
「股関節は上半身と下半身をつなぐ要となる場所。私たちが座る、立つ、歩く、走るなどの動作を自然に行えるのは、すべて股関節のおかげなのです。
股関節が正しく機能していないと、歩きづらくなったり上半身がふらついたり、下半身で踏ん張ることができなくなったりします。ひどくなると移動が困難になり、最悪の場合は自立した生活ができなくなってしまうことに。
『歩きづらい』程度の不調でも、移動が億劫になれば運動量が減って生活習慣病のリスクが上がりますし、思いどおりに動けないことがストレスになり、結果うつ病になってしまうケースもあります。人は股関節から老けていくと言っても過言ではありません。
特に、素敵世代のみなさんには股関節を鍛えることを意識していただきたいです。なぜかというと、60代は筋肉量が著しく低下する人が多い世代だから。関節は周辺の筋肉の影響を大きく受けており、筋肉量が低下することで悪化するリスクが高まります。筋肉量が低下すると股関節が悪くなり、股関節が悪くなると運動量が減って筋肉量が減る……という負の連鎖に陥ってしまいます。
また女性は体の構造上、男性よりも股関節に負担がかかりやすい傾向も。つまり、60代女性は股関節を悪くするリスクが高いということです。
股関節の状態は、私たちのQOLを大きく左右します。この先も趣味や推し活など好きなことを楽しみ続けるために、思いどおりに動くために、股関節の老化を食い止める対策をしていきましょう」
文/平井薫子
※素敵なあの人2025年5月号「よく動く股関節エクササイズ」より
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教えてくれたのは
米国スポーツ医学会認定運動生理学士 中野ジェームズ修一さん
東京神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」の技術責任者。「フィジカルトレーナー」の第一人者。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。『すごい股関節 柔らかさ・なめらかさ・動かしやすさをつくる』(日経BP)など著書多数。