野菜だけ食べる生活をしていると、体にトラブルが起きることもあります
―いいことづくめのように感じますが、デメリットはないのでしょうか?
肉や魚などに多く含まれる栄養素が不足し、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。中でも下記の栄養素は不足しがちで、そうなると日常生活に支障をきたすような症状が起こることも。
- 必須アミノ酸リジン…疲れやすくなる
- メチオニン…肌荒れ、肝機能の低下
- ビタミンB12…巨赤芽球貧血、神経障害
- ビタミンD…骨粗しょう症、免疫力低下
- ヘム鉄…鉄欠乏症貧血
- オメガ3必須脂肪酸のEPA…アレルギー、うつ病
- オメガ3必須脂肪酸のDHA…ED
そのため野菜だけに偏った食生活をするのは、危険だと言えます。
―ではベジタリアンを続けるためには、どのような食生活を送るのがよいのでしょうか?
野菜だけだと不足してしまう栄養素を、肉や魚以外できちんと摂取するのがいいでしょう。
例えば米は必須アミノ酸リジンが少ないですが、メチオニンが多く含まれます。そして大豆はメチオニンが少ないですが、リジンが豊富に含まれます。そのため、お米を食べるときに納豆をいっしょに食べると、不足する栄養素が補い合えるのでおすすめ。
鉄分は葉物野菜に含まれていますが、生のまま食べるとアクが鉄分の吸収を阻害します。ただ、熱し過ぎてしまうとビタミンCが壊れてしまい鉄分の吸収が悪くなるので、サッと湯通しをしておひたしなどで食べるといいですよ。
ビタミンB12は海苔に含まれているので、おにぎりにのりを巻くほか、サラダやおひたしのトッピングにするなどでとりましょう。
ビタミンDは干し椎茸やキクラゲで補いましょう。また、日光を浴びると体内で合成されます。シミなど美容面が気になるなら、顔を避けて日光浴をしましょう。
オメガ3必須脂肪酸であるEPAやDHAは、エゴマ油やクルミに含まれています。日本特有の文化である出汁にも多くの栄養素が含まれているので、魚介類がNGでカツオ出汁が難しい人は、昆布やしいたけで出汁をとるのもおすすめです。