今回で第5回を迎える人気の企画「60代の体にいいもの口コミ大賞」。体のことを気遣って日常生活で取り入れている商品について、 リアル素敵世代の声を毎回集計しています。過去最多の1084名の方々に参加いただいた今回、2024年下半期総合グランプリに輝いたヘルスケアアイテムとは? 愛用者からの口コミとともにご紹介します。
目次
60代女性に不足しがちな栄養を効率よく補う方法
制限なく日常を過ごせる健康寿命をどれだけ延ばせるかが大きなテーマとなる素敵世代。60代女性の体は どんな栄養素が不足していて、それをどんな食品で補ったらいいのでしょうか。管理栄養士の浅野まみこさんに詳しく聞きました。
60代は「骨」と「筋肉」。老化を緩める食習慣を
素敵世代が積極的に摂りたい栄養素には、どんなものがあるのでしょうか?管理栄養士の浅野まみこさんに伺いました。
「まず、60代が見るべき大きなポイントがふたつあります。それは、骨と筋肉です。骨密度も筋肉量も加齢とともに低下していきますが、60代を過ぎるとそれがさらに加速していきます。素敵世代が目指すべきは、この低下のスピードをどこまで緩やかにできるか。そう考えたときに必要な栄養素は、骨にはカルシウム、筋肉にはタンパク質です。
カルシウム摂取にぴったりなのが小魚。ナッツと一緒に小袋に入っているものや、おやつ用のにぼしパックを取り入れるといいでしょう。タンパク質摂取には〝ちょい足し〟がおすすめ。
1日のタンパク質の目標摂取量(体重1㎏あたり約1g)を摂るには、かなりの量を食べなくてはいけません。肉や魚に納豆や卵をプラスしたり、間食に牛乳や豆乳、チーズをとったりと、タンパク質食材を少しずつ足していくのが簡単で効果的です。
いまは、コンビニなどでカルシウムやタンパク質が手軽に摂れる商品がたくさん出ているので、それらを活用してもいいですね」
糖質や脂質もポイント。「量」と「質」に注意を
そのほかにも、素敵世代が気をつけたいポイントがあります。
「ひとつは、糖質。摂り過ぎると脂質異常や糖尿病のリスクが高まります。特に女性には甘いものを食べ過ぎてしまう方が多いので、注意したいところです。
次に、脂質。同じく摂り過ぎはよくないのですが、脂質で大事にしたいのは質。良質な油は、①酸化していないこと、②オメガ(DHA、EPA、α‐リノレン酸)を意識して摂取することのふたつが大切です。
①については、油は光、熱、空気で酸化するので、たとえばふたが開いたままコンロの脇に置くなどは厳禁。密閉して冷暗所に保存しましょう。
②は青魚やアマニ油、エゴマ油などから摂れますが、難しければサプリメントなどで補うのもおすすめです」
食べる楽しみを忘れずに。ほかの習慣も取り入れて
健康的な食生活を考えるうえで忘れてはいけないのが「食を楽しむ気持ち」だと、浅野さんは言います。
「60歳を超えたら、〝楽しく食べられる人が勝ち〟です。健康的な生活はもちろん効果的ですが、過剰に気にするのはよくありません。気を遣い過ぎて楽しくない食事を続けるよりも、多少気遣いながら程よく好きなものを食べる方が健康的です。
また、食以外の生活習慣も見直してみてください。やはり運動は大切です。70代、80代は筋肉量が低下しやすく、足が上げづらくなり、転んで骨折してしまい、介護が必要な状態に……というケースが多いです。運動でそれらを予防できます。激しい運動習慣は必要なく、1日10回スクワットをする、軽くストレッチや散歩をするなどでOK。
また、体重や血圧を測る、気になることがあったら病院に行くなど、こまめなチェックで自分の状態を把握することも肝心です。60代は、なにかあってから動くのでは遅いのです。10年、20年後も健康で楽しい毎日を過ごすために、いまから体にいい習慣を身につけましょう」
お話を伺ったのは……
管理栄養士
浅野まみこさん
食育活動やレシピ開発、食のコンサルティングなど、幅広く活躍。著書に『コンビニ・ダイエット』(星海社)、『血糖値は食べて下げる寝て下げる』(アスコム)など。
この記事のキーワード