同じ年齢でもシワやたるみが 目立つ人と肌が若々しい人。 両者の間にある違いは? 効果的なエイジングケアは? メカニズムから解決策まで肌の老化を知り尽くした 資生堂の研究員が解説します。
肌老化とは、加齢と紫外線による老化のこと
「老化には、加齢による自然老化と紫外線による光老化がありますが、顔のシミ、シワの約8割は光老化によるものだと言われています。紫外線は肌の深部に炎症を起こし、弾力を司るコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、メラニンも増やすので、シミ、シワ、たるみが出現しやすくなります。つまり、いままで浴びた紫外線の量が多い人は、老化が早まる傾向があるということです」と中西紘美さん。
シワやたるみを防ぐためには、コラーゲンやエラスチンの状態を良好に保つことが重要。そのメカニズムを解明するために、肌を切らずにコラーゲン繊維や弾力線維の状態を観察する方法を資生堂が開発。
「これにより、変化が詳細にわかるようになりました。まず、紫外線や加齢でコラーゲンは量が減ってスカスカに。一方エラスチンは変性して塊状になるとネットワーク構造が形成ができなくなり、機能が低下。
若々しいハリを維持するためには、紫外線を徹底的にカットしながら、〝分解→消化→新しいものを産生〟という コラーゲンの代謝サイクルを促すケアも同時に行うことが理想的です」。
意外なことに、ボディは加齢とともに水分不足になることがわかっていますが、加齢と顔の乾燥に相関関係は見られないのだとか。とはいえ、乾燥は美肌の大敵。
「保湿は、肌が生まれ変わるサイクルを正常にする働きもあるため、顔もボディも保湿は不可欠です。また、同じように紫外線を浴びても、乾燥している肌は特に炎症が悪化することもわかっています」
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