男性に多い印象のいびき。「自分には関係ない」と思っていませんか? でも実は、更年期以降はいびきをかく女性が増加。そしてなかには命にかかわる危険ないびきもあります。まずはどんなリスクがあるのかを知っておきましょう。
少しでもいびきをかくなら一度は受診してみましょう
自分では気づきにくいいびき。Dクリニック東京ウェルネスの井坂奈央先生によると、いびきは一時的なものと慢性的なものがあるそう。
「疲労や飲酒、かぜなどから、一時的に気道が狭くなってかくいびきは、短期間で治まることがほとんどで、特に治療を必要としません。ただ、いびきをかくこと自体が普通のことではないので、一度調べることをおすすめします。
一方、大きないびきをかき、いびきの途中で10秒以上呼吸が止まる状態を繰り返す場合は、注意が必要。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があり、健康状態や日常生活に大きな影響を及ぼす恐れがあります」
「同室に寝ている人からいびきの途中で呼吸が止まるという指摘がある」「日中に異常な眠気がある」「朝に頭痛がある」などは、SASのサインかもしれません。いびきは本人の健康に影響を与えるだけでなく、同室に寝ているパートナーの睡眠を妨げて健康を害してしまうこともあります。
一般的には男性に多いと思われがちないびきやSASですが、60代以降は女性も注意が必要だそう。
「昔はいびきとは無縁だった人でも、更年期を過ぎるといびきをかき始めることはよくあります。その理由は、若いころに比べると全身の筋肉が弱くなるところにあります。特に閉経後はホルモンバランスの変化により、のど周辺の筋肉が緩んだり、体重が増加しやすくなる人も。そのため気道が閉塞し、いびきやSASが起こるリスクが高まるのです。1~2割の人は自覚症状がなく、自分では気がつかないこともあります」
SASは大きな病気につながる可能性があり、放置するのは危険です。
「自分は大丈夫、とそのままにせず、思い当たることがあれば早めに医師に相談するようにしましょう」