数多くの俳優やアーティストを撮影してきた中川氏が、トークと写真で被写体の本当の姿を引き出す「まことのはなし」。今回のゲストは、中川さんも幼いころから大ファンだというピンク・レディーのケイちゃんこと、増田惠子さん。前編では、ピンク・レディー結成前のことやデビュー当時のことについてお話を伺いました。
歌っているときは、夢の中にいるような感覚なんです(増田)
中川さん(以下敬称略) 僕は子どものころからピンク・レディーが大好きで、いつも妹と歌番組を観ていたんです。
増田さん(以下敬称略) 嬉しい! そのとき、中川さんは小学生くらい?
中川 そうです。当時は日本中の小学生がおふたりのファンでしたよね。最初、僕と妹はミーちゃんが好きだったんです。そうしたら、母が「ちゃんとケイちゃんの踊りを見てみなさい」と。あくまで母の解釈ですけど、「ケイちゃんのダンスはアクションがひとつ多いのよ」と言われてじっくり見てみたら、子どもながらに本当だ! と気づいて。そこからケイちゃん派になりました(笑)。
増田 そうなの! 私とミーの振りはちょっと違うんです。新しい振りつけを覚えるときは、振付師の土居甫はじめ先生とアシスタントの“ケンちゃん”が、私たちの前で踊りながら教えてくれるのですが、私の前にいるのはいつもケンちゃんで。彼は流行りのダンスを学ぶために新宿や赤坂のディスコへよく行っていたんだけど、リズムを倍で刻む踊り方だから、動きが多いの。多分その癖がうつっちゃったんです(笑)。
中川 ちゃんと理由があったんですね。
増田 それに、当時はワイヤレスマイクがないから、踊りながらマイクのコードが邪魔にならないようにさばかないといけない。でも、後になってファンの方が「コードをさばく間に髪をかき上げる動作がかっこよかった」と言ってくださって。
この記事のキーワード