新幹線で通いながらの介護。遠距離でもできることを
また、遠距離であることによる不安が大きかったと言います。
「自宅から実家まで、新幹線を使っても3時間半の距離なので、すぐに駆けつけられないのがもどかしくて。『なにかあったらどうしよう』と心配で眠れない夜もありましたが、考え過ぎると精神的にまいってしまうため、『心配しても状況は変わらない』『連絡があったらそのときに考えよう』と気持ちを切り替えることにしました。いつでも対応できるよう、体調管理には気をつけていましたね。
母とはLINEや電話で頻繁に連絡を取り、リハビリ記録を写真で送ってもらうなど、父の状況を共有していました。あとは宅配弁当を手配したり、嚥下機能が低下した父のためにゼリー状の水分補給食品を送ったりと、遠距離でもできることはやっていました」
なかなか会えないからこそ一緒に過ごす時間を大切に
「いま父は回復して、デイサービスに通う日々です。この介護経験を通して、介護は〝してあげる、もの〟ではなく〝関わらせてもらうもの〟だと感じました。遠くに住んでいるからこそ、一緒に過ごす時間を大切にし、後悔のない関わりをしたいと思うようになったんです。
そう考えると、次に父や母に会うことが毎回楽しみに。家族の協力や職場の理解にも支えられ、介護に向き合うことができました。限られた時間のなかで、親子としての関係を深められたことは、私にとっても大きな意味のある経験だったと思います」

イラスト / 植草桂子 構成・文/平井薫子
※素敵なあの人2026年5月号「素敵読者の介護Stories」より
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