その年齢なりにベストな状態でいたい
もうひとつ、「当て書きされたのでは」と思うほど共感しているのが、容姿に対すること。
「鏡を見て、自分のことを老けたとか、容姿を気にする台詞が出てくるのがね。まるで(『恋と音楽』シリーズなどでタッグを組んだ作家、演出家の)鈴木聡さんが僕に書いたんじゃないかな、という感じがしておもしろかった(笑)。老いることがダメということではないけれど、まったく気にしないと言ったら噓になりますね。そういった仕事ですし、容姿から魅力を感じてくれて、推してくださる方もいるわけですから。その年齢なりにベストな状態でありたいですし、僕はその辺もうるさいほうかもしれないですね(笑)」
舞台で役としては口にすることもあるが、普段はあまりネガティブなことは言わないそう。
「自分だけが気づく変化ってあるじゃないですか。たとえばですけど、いままで大丈夫だったのに階段でちょっと息が切れるぞ、とか。朝起きたときに、こんなところにシワなかったと思うけど、あるような気がするな、とか。そういうの、誰でもありますよね。自然なことだというのはわかりますが、あえて口にはしない。そこは抗うくらいが、ちょうどいいんじゃないかな。あるがままっていうのも、それはそれでかっこいいですけど、僕はやっぱり、少しでも努力してベストを追い続けたいっていうのはあります」
「推してくださる方」という発言から、ファンの方々のイメージを壊さないようにといった意識もどこかにあるのでしょうか。
「その辺は、そんなに囚われてはいないんです。僕は僕で自分の理想を追求するだけで。ファンの方たちにも、いろんな理想があると思うんですよ。距離感とかも含めて、本当になにを求めているのかは、ひとりひとり違うものでしょうし、もっと向き合ってほしいとか、そんな要望もあるかもしれない。でも、そこを気にするよりは自分の姿勢、努力するといった姿を見て応援してくれたら、本当にありがたいなという感じです」
活動年数を経るごとに、ファンの方たちも一緒に年を重ねてきたと感じる瞬間もあると言います。
「自分以上に自分のことをわかってくれているな、というのも感じます。いまはいろいろと、そういう情報が入ってきやすいじゃないですか。あえて自分から情報を追ったりはしていないですけど、スマホを持っていると自然に入ってきますよ(笑)。発信してくださるファンの方たちも楽しんでくださっているのかなと思っています」

いながき ごろう●1973年12月8日生まれ。東京都出身。1991年にCDデビューしたのち、2017年に草彅剛、香取慎吾と「新しい地図」を立ち上げる。映像、舞台にと幅広く活躍し、近年の出演作にドラマ『燕は戻ってこない』『僕達はまだその星の校則を知らない』、映画『あんのこと』、舞台『No.9─不滅の旋律─』『ハリー・ポッターと呪いの子』などがある。
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