この時期になると、テレビなどでもよく聞くようになる、ヒートショック。
他人ごとと思わずに、お風呂などでの急激な温度変化にお気をつけください。
「人は冬、お風呂で死ぬ」。以前、女性誌の広告で目にしたキョーレツなコピーが忘れられない。
そうなのだ。かくいう私も5年前の11月末に、お風呂で脳梗塞の一歩手前の症状に陥り、救急車で搬送された経験がある。幸いにも病院ですぐに対処治療していただき、大事に至らずに済んだが、以後、冬のお風呂には気をつけている。
冬のお風呂がなぜ危険なのかというと、それは急激な温度差によって血圧が上下して、体にダメージを与えるヒートショックの症状が起きるからだ。心臓や血管に疾患を引き起こすヒートショックは、特に高齢者には要注意。高血圧や糖尿病、動脈硬化、不整脈などの持病がある人は、ヒートショックの対策をした脱衣所や浴室の工夫が必要になってくる。
予防にはなんといっても、各場所の温度差をなくすこと。脱衣所(ついでにトイレも)に電気ストーブを置いて、浴室は事前暖房であらかじめ温めておく。浴室に暖房設備がなかったら、シャワー給湯をするのも効果的だ。それからお湯の温度は42℃以上になると心臓に負担をかけるので、38〜40℃に設定するのがベストとされている。
こういうことがわかっていながら、先日、私はまたミスってしまった。冬も間近な温泉の露天風呂に浸かって、なかなかやって来ない友人を待っていたら、いつの間にか時間が経っていて、立ち上がったら気分が悪い状態に。あっ、まずい! とすぐに自覚した私は、しばらく洗い場の椅子に座って水を飲んでは落ち着くのを待ったのだが、お湯の温度と外気温の差が大きい冬の露天風呂は、ヒートショックにいちばん気をつけなくてはならない場所。温泉といえども、10分以上の長湯は危険なのだ。
それにしても、冬場は高齢者にとってはなかなかに面倒な季節だ。乾燥で肌がカサつき、体中に保湿クリームを塗らなければならないし、夜中のトイレに起きたら寒さで目が冴えて眠れなくなったりする。寒さで縮こまった体で歩くと、つまずいて転びそうになるし(実際、友人は転んで骨折した)、これからお正月にかけて、老人のお餅による窒息が必ずニュースで話題になる。
さらには、冬は日照時間が短くなり、気分が落ち込む〝冬季うつ〟の症状が出やすいのだとか。これはけっこう辛そう。
そんなわけで、年を重ねれば、体の状態は若いころと同じというわけにはいかないけれど、日常生活に留意して、お鍋なんかでおいしく暖かな生活を送りましょうね!
イラスト&文/石川三千花
※素敵なあの人2026年2月号「石川三千花の素敵とそれなりの間にはvol.67」より
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