体が冷える、疲れやすい、夜中に目が覚めるなど、素敵世代に多いお悩み。対策として、漢方を取り入れてみてはいかがでしょう。まずは漢方の考え方や特徴について、漢方の啓発活動に携わっているクラシエ薬品の山本政春さんにお話を伺いました。
日本の伝統医療である漢方は素敵世代にうってつけ
漢方の考え方や特徴について、漢方の啓発活動に携わっているクラシエ薬品の山本政春さんにお話を伺いました。
「漢方は、じつは日本の伝統医学なんです。5〜6世紀に中国の伝統医学・中医学が日本に伝わり、それが日本の風土や日本人の体質に合わせて独自に発展してきたものを指します。
漢方の最大の特徴は、その症状だけをみるのではなく、体質や生活背景、心身のバランスを含めた〝全体〟をみること。西洋医学がその症状にピンポイントにアプローチするのに対し、漢方では体全体をマクロに捉え、気・血・水のバランスや五臓の働きを整えることが大切とされます。そのうえで、人が本来持つ自然治癒力を高めて、代謝や循環を整えることで改善を目指そうというものなんです。
使われる薬にも違いがあって、西洋薬は主に化学的に合成された成分を使っているのに対し、漢方薬は植物や動物、鉱物など自然界に存在するもの由来の成分(=生薬)が使われます。生薬は200種類近くあるとされ、人参(ニンジン)、葛根(カッコン)、桂皮(ケイヒ)などは耳なじみがあるかもしれません。病院で処方される薬には西洋薬が多いですが、近年は漢方薬のエビデンスも蓄積され、医療現場でも幅広く使用されるようになりました。いまでは8割近くの医師が漢方薬を処方すると言われています。
そんな漢方は、特に素敵世代のみなさんにおすすめです。60代女性は、女性ホルモンの低下によって気・血・水のバランスが崩れやすくなります。その結果、五臓の腎に不調が出やすくなり、腎が不調になると冷えや疲れやすさ、尿トラブルなどの老化現象が起こりやすくなることに。老化による不調は漢方と相性がよく、漢方薬の力が発揮されやすいと言うことができます。『つらいけれど年だから仕方ない』『病院に行くほどではないけど、気になるな』『対策をしてもなかなか改善しないな』という方は、ぜひ漢方を取り入れてみてください。きっと心も体も楽になるはずです」
気血水とは
体の状態を捉えるための基本概念。「気」は生命エネルギー、「血」は血液をはじめとする栄養素、「水」は体内の水分・潤いを指します。いずれかが不足したり滞ったりすると不調が生じるとされており、3つは互いに影響し合ってもいます。3つの巡りとバランスを整えることで、健康が保たれるという考え方です。
五臓とは
体の働きを概念的に捉えたもので、肝・心・脾・肺・腎の5つに分けられます。心臓や腎臓、肝臓など西洋医学における臓器とイコールではなく、心身の機能や精神活動なども含めた機能的概念と言えます。おおまかに、肝は自律神経や情緒、心は精神や血脈、脾は消化吸収や筋肉、肺は呼吸や免疫、腎は成長や老化を司(つかさど)るとされています。
教えてくれたのは
クラシエ薬品 ヘルスケア営業本部 ヘルスケア学術部
山本政春さん
中国・上海中医薬大学にて中医学を体系的に学ぶ。クラシエ薬品にて漢方の啓発活動に従事し、現在は医療関係者や一般消費者に向けて、中医学や漢方の知識をわかりやすく伝える取り組みを行う。特技は太極拳。
イラスト/はまだなぎさ 取材・文/平井薫子
※素敵なあの人2026年2月号「素敵世代に多い8のお悩みを改善! 冬の漢方養生」より
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