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年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い 素敵なあの人Web

素敵なあの人 2026年1月号

素敵なあの人 最新号

2026年1月号

2025年11月14日(金)発売
特別価格:1690円(税込)
表紙:富岡佳子

素敵なあの人 2026年1月号

公開日:

【60代エンタメ】岸井ゆきのと宮沢氷魚が夫婦役『佐藤さんと佐藤さん』は結婚生活のリアルを丁寧にすくい取る

岸井ゆきのさんと宮沢氷魚さんのW主演作『佐藤さんと佐藤さん』が11月28日より全国公開されます。

同じ苗字を持つ男女が出会って結婚し、別れるまでの15年間を描いたマリッジストーリー。互いを大切に思い合っていたはずなのにすれ違ってしまうカップルの姿を、リアルな日常生活の積み重ねから描き出す、ちょっぴりビターな物語です。仕事と子育ての両立、主婦と主夫、都会と田舎、年代格差に男女格差。多角的な視点が入った今作の見どころを、劇中に登場する食べ物にも注目したコラムとして紹介します。

ストーリー

映画『佐藤さんと佐藤さん』より自転車に乗りながら歌うサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)

活発でダンス好きなアウトドア派の佐藤サチ(岸井ゆきの)と、正義感が強くて真面目なインドア派の佐藤タモツ(宮沢氷魚)。大学のサークル「珈琲研究会」で出会った正反対な性格のふたりの「佐藤さん」はなぜか気が合い、同棲を始める。5年後、弁護士を目指しているタモツは司法試験に失敗。会社員として働いているサチは独学を続けるタモツに寄り添うために、自身も勉強をして司法試験に挑戦することを決意する。その結果、司法試験に受かったのはタモツではなく、挑戦を応援している側のサチだった…。やがてサチの妊娠が発覚してふたりは結婚。産後すぐに弁護士として忙しく働き始めたサチと、試験勉強をしながら家事、育児、バイトに明け暮れるタモツは衝突するようになっていく。

【見どころ1】子育てや結婚生活の “あるある”が詰まってる!

映画『佐藤さんと佐藤さん』より子どもをあやすサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)

大学のサークル仲間として出会った佐藤サチと佐藤タモツ。性格は真逆で同じ苗字を持つ2人が恋人になり、結婚して子育てや仕事、試験勉強に追われるなかで感情が変化していく15年間を描いた物語。孤独なタモツを励ますためにサチも司法試験の勉強を始めますが、実際に合格したのはサチだけ、しかも妊娠が発覚して…というところから2人の関係性が変わっていきます。タモツが司法試験に集中できるよう、一人前の弁護士になって稼ごうと必死になるサチですが、塾講師をしながら家事や子育てをしているタモツは、まとまった勉強時間など取れるはずもなく、外で働くサチを恨めしく思ってしまいます。

映画『佐藤さんと佐藤さん』より気持ちがすれ違い始めたタモツ(宮沢氷魚)とサチ(岸井ゆきの)

ようやく子どもが寝てひと息つけると思った瞬間に泣き声が聞こえてきて、カップラーメンを食べる時間もなく自分のことは後回しな日々。栄養や彩りを考えながら朝から一生懸命つくったお弁当を「食べる時間がなかった」と、そのまま持ち帰られた悲しさ。仕事が忙し過ぎて保育園の持ち物を忘れたり、夫婦間のスケジュールのすり合わせや送迎時間に追われたりする毎日。切れたオムツやトイレットペーパーをどちらが買いに行くか…。実際に子育て中のママである天野千尋監督の実体験も投影されていて、主婦や主夫、仕事をしながら子育てする親の“あるある”が詰まったリアルな日常の切り取り方が秀逸です。

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この記事を書いた人

富田夏子

ライター/映画ごはん研究家 富田夏子

雑誌ライター歴21年。得意分野はエンタメ、フード、ライフスタイル。映画ライター/映画ごはん研究家として、「映画とごはんをつなぐメディア」をSNSで展開し、映画と食に関連する情報や体験をシェアしている。日本映画ペンクラブ会員。
雑誌やWEBへの映画レビュー連載歴は14年で、俳優や映画監督のインタビューも手がける。料理取材の試食は残さず食べる食いしん坊。

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