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年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い 素敵なあの人Web

素敵なあの人 2026年1月号

素敵なあの人 最新号

2026年1月号

2025年11月14日(金)発売
特別価格:1690円(税込)
表紙:富岡佳子

素敵なあの人 2026年1月号

公開日:

【60代エンタメ】倍賞千恵子×木村拓哉×山田洋次監督『TOKYOタクシー』は驚きと涙が連鎖するハートフルな物語

【見どころ2】木村拓哉さんのさえないタクシー運転手姿が新鮮

映画『TOKYOタクシー』よりタクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)

これまでドラマや映画で刑事、検察官、パイロット、シェフ、ボディガード、スポーツ選手、財閥の御曹司、武士、そして織田信長まで!まさにヒーローな主人公を演じてきた木村拓哉さん。『TOKYOタクシー』では、休みなく働いても毎月ギリギリで余裕のない生活をしている、さえない個人タクシーの運転手姿が新鮮です。

演じている浩二にはクラリネットが得意な一人娘がいて、夢だった音楽大学の附属高校への推薦入学が決まったものの、入学金をどう工面するか頭を悩ませています。にじみ出るかっこよさは消えませんが(笑)、生活感漂う疲れたお父さん役の木村さんもハマっているので必見です。

【見どころ3】東京の名所を巡りながら昭和史を振り返る

映画『TOKYOタクシー』よりタクシー運転手の浩二(木村拓哉)とすみれ(倍賞千恵子)

すみれが依頼したタクシー移動は、東京都葛飾区の柴又から神奈川県の葉山まで。高速に乗って順調にいけば1時間半の移動距離ですが、高齢者施設への入居を控えたすみれは、80年以上暮らしてきた東京の思い出の場所を巡りたいと提案。たった1日のショートトリップが始まります。

映画『TOKYOタクシー』より不忍池のベンチに座るすみれ(倍賞千恵子)とタクシー運転手の浩二(木村拓哉)

帝釈天で旅の無事を祈り、言問橋で幼少期の記憶を振り返り、その後は上野の不忍池、皇居の周辺、明治神宮外苑のいちょう並木、東京駅、東京タワー、都庁など、都内の名所を車窓から眺め、ときに寄り道しながら神奈川県へと移動していきます。映画を観たあとは、すみれさんの人生に思いをはせながら、ロケ地めぐりを楽しむのもおすすめです。

余談ですが、「寅さんシリーズ」で長年主人公の妹「さくら」役を演じてきた倍賞千恵子さんが、今作では「すみれ」さんになり、紫のコートに薄いピンクのマフラーを合わせているのが素敵。旅の出発点が、寅さんでおなじみの帝釈天というのも山田洋次監督の粋な計らいですね。

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この記事を書いた人

富田夏子

ライター/映画ごはん研究家 富田夏子

雑誌ライター歴21年。得意分野はエンタメ、フード、ライフスタイル。映画ライター/映画ごはん研究家として、「映画とごはんをつなぐメディア」をSNSで展開し、映画と食に関連する情報や体験をシェアしている。日本映画ペンクラブ会員。
雑誌やWEBへの映画レビュー連載歴は14年で、俳優や映画監督のインタビューも手がける。料理取材の試食は残さず食べる食いしん坊。

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