山田洋次監督が倍賞千恵子さんを主演、木村拓哉さんを共演に迎えた映画『TOKYOタクシー』が11月21日より全国公開されます。
山田監督91作目となる最新作は、フランス映画『パリタクシー』(2023年)が原作。“終活”に向かうおしゃべり好きのマダムと、さえないタクシー運転手。偶然出会ったふたりが東京の各所に寄り道しながら1日を過ごすうちに、ゆっくりと心通わせる様子を描いた物語です。意外な展開に驚きながら心が温かくなるヒューマンドラマの見どころを、劇中に登場するある食べ物にも注目したコラムとして紹介します。
目次
ストーリー
毎日休みなく働いているタクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)。パートで働く妻の薫(優香)、娘の奈菜(中島瑠菜)と3 人で暮らしているが、コロナ禍以降生活は楽ではなく、娘の高校入学金や車検代、家の更新料などの資金繰りに頭を悩ませていた。そんなある日、浩二のもとに85 歳のマダム・高野すみれ(倍賞千恵子)を東京・柴又から神奈川・葉山にある高齢者施設まで送るという依頼が舞い込む。
走り出したタクシーの車中、最初は互いに無愛想だった2 人だが、会話を交わすうち次第に心を許し始めたすみれは「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがある」と浩二に寄り道を依頼する。東京のさまざまな場所を巡りながら、すみれは自らの過去を語り始める。たった1日の旅が、やがて2人の心を、そして人生を大きく動かしていく。
【見どころ1】予想外の展開と感動の涙が押し寄せる
タクシー運転手とその乗客として偶然出会った浩二とすみれ。浩二にとってのすみれは、長距離移動のラッキーな乗客という印象でしかなかったのですが、すみれの過去を聞きながら思い出の地を寄り道するうちに心が動き、彼女の人生に思いをはせるようになります。
と、ここまでお伝えしたストーリーだと、ほんわかした物語だと思われるかもしれませんが、昭和、平成、令和とそれぞれの時代を必死で生きてきたすみれさんの人生は波乱万丈で、どんどん話に引き込まれていきます。
そして後半は思わず涙が流れるようなシーンが続き、じわじわと感動が押し寄せてきます。試写会では老若男女問わず泣いているマスコミ関係者が多数で、あちこちからすすり泣きが聞こえていたので、劇場へはぜひハンカチ持参で!
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