【注目作品】速水御舟・東山魁夷・山口晃など巨匠の名画が集結
見どころ①:名だたる画家たちの傑作が大集結
速水御舟・東山魁夷作品の注目ポイントを学芸員の方に伺いました
速水御舟《名樹散椿》【重要文化財】の注目ポイント
京都・昆陽山地蔵院に実在した名木を描いた大作。金箔ではなく、金地の「蒔地(まきつぶし)」手法でたくさんの金が用いられています。一般的な椿のように、花がぽとっと落ちるのではなく「散る」ことから「散椿」と呼ばれているそう。
花の雄しべ、雌しべ、散った花びらの様子、葉の表裏一つ一つの葉脈、うねる幹の様子にも注目です。
左):速水御舟《名樹散椿》【重要文化財】山種美術館
右):山口華揚《木精》山種美術館:北野天満宮の大けやきです。
東山魁夷「京洛四季」シリーズの注目ポイント
山種美術館でこそ見られる作品です。四季の絵が揃うのに20年かかったそう。
《春静》は鷹峯、《緑潤う》は修学院離宮、《秋彩》は小倉山、《年暮る》はホテルオークラ京都からの東山の景色を描いています。町屋の景色は現在のオークラ京都から見える景色とはだいぶ変化していますね。
手前から 東山魁夷《春静》《緑潤う》《秋彩》《年暮る》 山種美術館
手前から東山魁夷《緑潤う》 《秋彩》 《年暮る》 山種美術館
美しくて、行ったり来たりして見入ってしまいました。
見どころ②:NHK大河ドラマ『いだてん』オープニング映像の絵画
山口晃《東京圖1・0・4輪之段 槙楓図》が山種美術館では初展示!NHK大河ドラマ『いだてん』(2019)オープニング映像に登場した絵画です。
山口晃《東京圖1・0・4輪之段 槙楓図》の注目ポイント
皇居を中心とした関東の地図。東京タワーや六本木ヒルズがある一方で、今はない浅草・凌雲閣や、以前の日本橋の太鼓橋が描かれています。過去と現在が入り混じっているんです。実は北海道や四国も描かれています。白塗り部分は防衛省ですって。
山口晃《東京圖1・0・4輪之段 槙楓図》山種美術館
見どころ③:北から南まで、日本全国を絵で旅する
北海道から沖縄まで、作品を追っていく展示は日本全国を巡る旅のよう。
青森県・奥入瀬渓流を描いた奥田元宗《奥入瀬(秋)》や、日本三大桜「滝桜」と呼ばれる、福島県三春町の紅しだれ桜を描いた橋本明治《朝陽桜》など、「まるで絵の中で日本を旅している」ような順序に配置されています。
さらに進むと、イタリアやギリシア、アメリカなど海外を題材にした作品があります。
第二展示室では、アフリカ:千住博《ピラミッド遺跡》、中国:竹内栖鳳《城外風薫》など、世界各国への「巡礼の旅」が体験できます。
奥田元宗《奥入瀬(秋)》山種美術館
奥田元宗《奥入瀬(秋)》山種美術館 : 幅6mの大作。
橋本明治《朝陽桜》山種美術館
橋本明治《朝陽桜》山種美術館
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