「終活」と聞くと、まだ自分には関係ないと思う方も多いかもしれません。けれど、いざというときの備えは早すぎることはありません。今回は終活のなかでも「お金について」「急に倒れたときのことについて」、専門家である司法書士の太田垣章子さんに伺いました。
お金について考える
元気なうちに使えるように〝お金の計画〟はしっかりと
「『老後が不安でお金が使えない』という悩みをよく聞きます。それは、資産の管理や生活設計ができていないから。わからないから、不安になるのです。保険や預金、年金額を洗い出して、 70代、80代の生活スタイルをイメージすれば、おのずとかかる金額が見えてきます。せっかく自分で貯めたお金なのですから、元気なうちに使っていきましょう。お金は健康だからこそ使えるもの、ということを忘れないでください」
自分のお金を自分のために使えるようにしておく
たとえば、認知症になったら判断能力がないと見なされ、持っている銀行口座が凍結されてしまいます。どんなにたくさんお金が入っていても、そのままではあなたにも家族にも引き出すことはもうできません。最後まで自分のお金を自分で使えるようにするために、「成年後見制度」を活用していただきたいです。成年後見制度とは、判断能力が不十分である人を後見人が支援する制度で、任意後見制度と法定後見制度の2種類があります。
成年後見制度の種類
法定後見制度
判断能力が不十分と判断されてから適応される制度で、家族などが裁判所へ申し立てをするこ とで開始されます。後見人は家庭裁判所が選ぶため、面識のない弁護士や司法書士などが務める場合も。それゆえに、大きな額を動かす場合は後見人が消極的になる場合があるほか、後見人が金銭トラブルを起こしたケースも。
\おすすめはコチラ/任意後見制度
判断能力があるうちに「将来困ったときにこうしよう」と自分で決めて、あらかじめ契約しておく制度です。後見人は自分で選び、公正証書で契約します。開始のタイミングは本人の判断能力が低下してから。自分の意思をしっかり託すことができて安心のため、こちらをおすすめしています。
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