ユーミンを「お母さん」呼び。仲睦まじいご夫婦の一面も垣間見えて会場はほっこり

続いて、夫でプロデューサーの松任谷正隆さんも登壇。制作秘話はもちろん、プライベートのお2人のお家での様子なども垣間見えるトークが炸裂しました!
――(直近の)試聴会は記憶にありますか?
松任谷正隆さん:東芝EMI時代に行ったことありますね。スタジオCに。僕スタジオCは…あれ?なんだっけ?えーと。お母さん…(と、ユーミンに尋ねる様子)
ユーミン:お母さん?(笑)
松任谷正隆さん:あー名前が出てこない。彼女。。。
ユーミン:それは日本人ですか?
松任谷正隆さん:もちろんお母さんが曲を書いた人です。薬師丸さんだ!
と、思い出せずユーミンに助けを求める場面も。「お母さん」と呼びかけた様子にお二人の仲の良さが垣間見れて会場がほっこりしました。
また、お2人には「①お茶」と「②お茶」という朝のルーティンがあることも明かしてくれました。
――お2人でご自宅で会話されるお茶の時間があるそうですね?
松任谷正隆さん:四六時中話してますよね。朝8時くらいから始まり、①お茶というのが8時20分くらいからじゃない? 9時にお風呂に行くから(笑)
ユーミン:いいよ、そんなこと言わなくて(笑) 私は6時少し前には起床してルーティンの運動とかしてお茶の支度をしています。
――朝ごはんは?
ユーミン:ブランチという感じですよね?
松任谷正隆さん:いや、「①お茶」がまず9時まであって、「②お茶」が10時15分くらいから11時くらいまであって、その「①お茶」が終わる9時から10時15分が僕の原稿書きタイムで、それからご飯が12時ちょっとすぎくらいにあって。
ユーミン:それが平均的な家に2人がいるときの流れで。私の仕事時間は14時から17時とかですかね。
――由実さんが新聞を読み聞かせるそうですね?
松任谷正隆さん:ありますね。二回に一回は読み聞かせられてる感じがしますね。
ユーミン:ていうかね、そもそも私は1人の時間をつくりたくて早く起きていたんですけど、まざってきたんですよ。いつのまにか(笑) (と、松任谷正隆さんの方を見る)
松任谷正隆さん:(笑) 「①お茶」というのは最初はなかった。10時15分くらいからのお茶の時間というのがあっただけなんだけど、「あんた1人でお茶飲んで。。。」ってなったんですよ。
――新聞はどの視点で記事を選ぶんですか?
ユーミン:フロントページの場合もあるし、全然小さい文化欄みたいなこともあるし、様々ですね。それが新聞のいいところだと思います。デジタルだとピンポイントに情報に行くじゃないですか。新聞って並んでいて、「1面のあれを見たいな」と戻れたり。紙の手触りが刺激があるように思います。
――もちろんその中にはAIの話も?
ユーミン:そうですね。AIはね、もう毎日のように様々な形でにぎわしてますね。今年はすごいことになるぞと去年あたりからも。
今日は100年先のカルチャーを見てみたいねって。でもスニーカーの話をしたりもしてるし。
――そういう会話の積み重ねが「Wormhole」コンセプトをあぶりだしたところありますか?
松任谷正隆さん:(ユーミンに)昔から宇宙には興味を持っているでしょ? 僕も持っているけど、そういう部分といろんな多面的な世界観と見たものとテクノロジーみたいなものがフォーカスされた気がしました。
ユーミン:思い出とか面影とか確実にあるのに簡単にはつかめないものが歌のテーマになるじゃないですか?それ自体が「Wormhole」のような感じがする。
松任谷正隆さん:東大の先生曰く、自我はコピー出来るようになるって。すごくないですか? 昔考えたおとぎ話じゃないですか?その時代は確実に出来ると。でも考える自分も記憶ももちろんコピー出来ても自分自身というものはコピー出来ないんですよ。じゃぁ「自我」ってなんだよって話になっちゃうんだけど、そこらへんが100年後のテーマだねってことが今日の「②お茶」のテーマ。
ユーミン:AIの対極にあるのが今ここにいる自分っていうことだと思うんですよね。AIは同時にどこででも存在出来るんだけど、たった今ここにいるあなた。とにかく自分。
松任谷正隆さん:それが100年後にはリアリティとして話されるんじゃないかと。「自分って何?」って。
――肉体と意識は全く別物で、意識のあり様を音楽に表したいってすごく強い欲求があると思うんですけど、そういう話もしますか?
松任谷正隆さん:しょっちゅうしてますね。
ユーミン:直接でなくても、何かそこに触れるような話題になってますね。
――自分のいろんな異次元を繋ぐために音楽があって、それをテクニカルに表現したのが今回のVボーカルでしょうか?
松任谷正隆さん:なんて説明したらいいんだろう。音楽をつくる衝動って言語化出来ないですよね。なんでご飯食べるのといわれるのと近い感じで。
ユーミン:AIの声で永遠の命を得てるわけですよ。だけど肉体は滅びていく。もっとそこが進化して意識のところもAIで出来るようになったら死生観もどんどん変わっていくと思う。すでに死生観変わってますね。
――お2人はこれから11月17日から始まるツアーで、ショーにしていく段階じゃないですか。やはり苦労されてますか?
松任谷正隆さん:奇跡が3つ起こらないと絶対いいショーにはならないと思っていて、奇跡ってなかなか起こせるものじゃないじゃないですか、努力しても。でも、下地をつくっとかないと奇跡は起こらなくて、いまそういう段階かな?
ユーミン:でもセットリストでちょこっと起こったね? 一昨日くらいに。
松任谷正隆さん:いや、あれは大したことないよ。奇跡ってのはもっともっとダイナミックな何かが起こらないと。みなさんにとってみたら大したことないことだと思います。
――フィジカルにアルバムを表現するときに、フィジカル的な鍛錬はされましたか?
ユーミン:してます。ボイストレーニング、日々のトレーニングも。横隔膜や声帯をずっと支えるわけで、健康でないとね。食事のこともすべてです。あとメンタルも。Vに対してのリアルな声はエモくないと意味がないので。エモくしてもブレないように。
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