いままでとは違う、新しい時代の変化を受け入れられなくなってしまっていませんか?
頑なに拒否するだけではなく上手に利用するのも、人生を楽しむコツかもしれません。
つい最近、ロサンゼルスに旅行したときに道路で目撃した、ドライバーのいない無人タクシーや宅配ロボット。その光景は実に未来的で、思わずスマホで写真を撮った私。いやいやL.A.で実際にこうなっているということは、近い将来、日本もそうなるのだと実感した。
まだ無人タクシーを経験したことのない身としては、ちょっと怖い気もするが、実際に利用した人からは、やたらと罵声を発して雑な運転をするドライバーよりずっと安全運転で、ストレスがないとのこと。ドライバーに気を使うこともチップも不要で(チップは最低でも20%が相場だ) なんだかいいことずくめのようだ。
ところが年を重ねて高齢者になると、新しい世の中の動きをすべて拒否して、昔のままの方がよかったと言い張る人が案外多いのだ。経験したことのないものは不安感しかないから、拒絶反応してしまう。こういうことはきっと大昔から同じで、馬車から自動車、そして機関車や飛行機と進化する過程でも、人々は怯えながらもその移り変わりを止められず、やがて受け入れてきた。進化とともに危険なことや環境破壊も新たに発生したけれど、時代の流れは誰も止められないのだ。そうだとしたら、自分が生きている現代社会を冷静に受け止めて、前向きに捉え、自分なりにその文明を活用したらよいのではないかしら。
L.A.に住んでいる高齢者の友人は、「こっちでは車がないと生活できないから、将来、運転できなくなった際に、無人タクシーや宅配ロボットは絶対に必要なのよ」と熱烈歓迎派だった。
いまの世の中の動きは、私たちが青春時代を過ごしたときよりもずっとスピードが速い。ドローンで配達や介護ロボットなどが一般に使われるのも遠い話ではないのだから、そのお世話になるかもしれない私たちは心してその利便性だけでなく、安全性の面も考慮しながら受け入れていく必要があるのだと思う。
ところで、無人タクシーが怖いというのは感覚的に理解できるが、実際にもっと怖いのは、身体能力が衰えてきた高齢者が頑なに運転免許証の返納を拒否して、危なっかしい運転を続行していることだ。
高速道路の逆走やアクセルとブレーキの踏み間違いなど、お年寄りの交通事故はよく報道で耳にするが、そこまで大事故じゃなくたって、車をどこかにぶつけたり、側溝にタイヤを取られたり、彼らの家族はヒヤヒヤものです。どーか、皆さま、お気をつけて!
イラスト&文/石川三千花
※素敵なあの人2025年11月号「石川三千花の素敵とそれなりの間にはvol.64」より
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