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素敵なあの人 2025年12月号

素敵なあの人 最新号

2025年12月号

2025年10月16日(木)発売
特別価格:1780円(税込)
表紙:萬田久子

素敵なあの人 2025年12月号

公開日:

【60代の関心ごと】食べ残しの大量廃棄、もったいない! 食品ロス問題、考えてみませんか?  【石川三千花さん・エッセイ】

近年、ニュースでも取り上げられることが多い、食品ロス問題。
外食でやむを得ず食べ残した際は、自己責任で持ち帰るのも食品ロスを減らすひとつの手です。


最近になって、ようやく外食時の食べ残しを持ち帰る行為が浸透し始めたと感じている私だが、コロナ以前は、お店側が食中毒などの衛生面を危惧するあまり、持ち帰りを拒否されることもしばしばあった。

第一、コロナ禍でテイクアウトを売りにするお店が続出したのに、お店での食べ残しの持ち帰りがダメってのはおかしくないか?海外のレストランでは食べ残しの持ち帰りは普通のことで、スタッフの人が「持ち帰りますか?」と聞いてくれて、ドギーバッグなる容器を渡してくれる。たとえどんなに高級レストランでもそうだから、高価なものを食べ残した罪悪感もなく、食品ロスの観点からもいいことずくめなのだ。

日本における食品ロス量は、世界の中でも上位で、日本人1人当たり年間45㎏(2019年度推計値)になるらしく、消費者庁をはじめとする関係各省は、飲食店の食べ残し対策として持ち帰りを奨励しているとある。

だが実際の話、客である私たちが、もっと積極的にお店に持ち帰りを尋ねれば食品ロス量は減るはずだ。それを聞くのはちょっと恥ずかしいと感じるかもしれないが、食べ物を無駄にしない精神や、もったいないと思う気持ちはあって当然。お店の調理人も、残さずぜんぶ食べてもらうのは本望というものだろう。

私は昔からの仲良しグループで2、3か月に一度の頻度で食事会をする和食屋があるのだが、最後のお釜で出てくる炊き込みご飯がいつも食べきれなくて、持ち帰りたい数人に毎回お店の大将が小分けで持たせてくれるのだ。これが家に帰って次の日に食べても本当においしい。ひとり暮らしの友人などは、家での1食分にもなり必ずもらっていく。それに、残さずに完食するって作る方も食べる方も、気持ちいいよね!

近年、ニュースでも取り上げられることが多い、食品ロス問題

ところで食べ残しの持ち帰りは、必ず自己責任で本人自ら容器に詰めることになるのだが、当然ながら生ものや汁ものは避けなければならない。猛暑続きの夏場などは、長時間の持ち運びにも注意しなければならず、家で食べるときには再度の加熱がマストとなる。せっかく持ち帰ったのに、おなかを壊すようなことにならないように注意しよう。

失敗例として、海外旅行では一皿の量が多くてたいてい食べきれず、給仕のスタッフがあれよあれよという間にドギーバッグに詰めて持たせてくれるのだが、ホテルに帰ってから食べる胃袋の余裕も時間もなく、結局捨てることになる敗北感。あるあるだよね。

イラスト&文/石川三千花

※素敵なあの人2025年12月号「石川三千花の素敵とそれなりの間にはvol.65」より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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この記事を書いた人

石川三千花さん

イラストレーター&エッセイスト 石川三千花さん

映画、ファッションについて独自の観点からイラスト+エッセイを展開。著書に『石川三千花の勝手にオスカー』(集英社)、『勝手にシネマ・フィーバー』(文藝春秋)など多数。

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