最愛の夫・偉志を亡くし、ひとり静かに暮らしていた文子。偉志との思い出がそのまま息づく家で、娘の綾(酒井美紀)の海外出張をきっかけに、孫の拓磨(豆原一成)としばらく暮らすことになります。ある日、拓磨がふと足を踏み入れた偉志の書斎で、一冊の大学案内を見つけます。それは、生前の偉志が文子に贈ったサプライズでした。
「もう一度、夢を追いかけてほしい」。そんな夫からのやさしさ溢れるメッセージに背中を押され、文子の中で止まっていた時間が、ゆっくりと動き出します。
「文子と偉志。本作のもう一つの柱となる夫婦の愛。本当に美しいですよね。文子は幸せ者だなと思います。と同時に、偉志が生きていたら、文子はずっと彼の懐の中で生きていたと思うんですよね。けれど突然の別れをきっかけに、文子は自分らしさを取り戻していく。それはきっと、長い時間をかけて積み重ねてきた偉志の愛に支えられているから。最愛の人を失って初めて、自分の中にあった自由に気づく。その感覚がとても素敵だなと思いました」
市毛さんと、夫・偉志を演じた長塚京三さん。実はふたりが共演するのは今回が初めてではなく、約50年前、若き日には恋人同士の役を演じていたそう。

「長塚さんとは50年ほど前に恋人役でご一緒しているんです。それがまるで、今回の文子と偉志の予行練習みたいで、まるであの頃からすでに物語が始まっていたような。そして今回、約50年ぶりに夫婦として再び共演し、あの若かったふたりが、そのまま時を経て続いていたんだなと。長塚さんも、『僕たちずっと前に、練習してましたもんね』と笑いながらお話くださって。偉志役が長塚さんで、本当に幸せでした」
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