あらためて気づかされる日本の日常的な光景の美しさ

――作品を拝見して、なにげない日本の日常の室内風景も美しく見えて嬉しくなりました。
すべて日本での撮影でしたが、スタッフはクー監督のいつものメンバーです。撮影現場ではスタッフの方たちは特別なこと何もしていないように見えるのに、編集中の映像に垣間見えるそのタッチや光、切り取り方がとてもいいんですよ。だから、いつもの日本の風景も新鮮に見えるんでしょうね。そのなかに、日本人の堺正章さんや竹野内豊さん、私も入れてもらったっていう感じです。
――主人公のハヤトを演じる竹野内豊さんの、辛い現実に直面した内実を感じさせる静かな表現にも心が揺さぶられました。
竹野内さんは、大きな芝居をせずにハヤトを繊細に表現されました。私が演じた母親であるメイコは彼女なりの理由はあったにせよ、幼いハヤトを置いて家を出たわけですから、成長した息子を見てそれまでの時間を埋めるにはどうするかという葛藤はありますよね。そのメイコを演じるうえでも、竹野内さんの表現はとても信頼できると思いました。
実は私自身も父親と50年間会えなかった経験があります。だから、竹野内さんが演じられたハヤトが、メイコと対面したときの受け止め方は実感としてわかるんです。監督のエリックも俳優としての竹野内さんが大好きで、それは現場でもすごく感じました。
――大切な人を失ったとき、なにを支えにすればいいのか……本当にそうなったときの心の拠り所になるような作品ですね。
その人といつも一緒にいると感じるのは本当に大切だと思います。その人を心の中で生かすことも、愛することも尊ぶことも充分にできて、ただ会えないだけ。だからこそ、なにか人に伝えておきたいと思うことがあったら、ちゃんとコミュニケーションを取って悔いのない生き方をしたいですね。そして、最後までなんでも受け入れられる自分でありたいと思います。
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