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年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い 素敵なあの人Web

素敵なあの人 2025年11月号

素敵なあの人 最新号

2025年11月号

2025年9月16日(火)発売
特別価格:1690円(税込)
表紙:富岡佳子

素敵なあの人 2025年11月号

公開日:

【60代エンタメ】松村北斗主演『秒速5センチメートル』は胸の奥にある“センチメンタル”を刺激する18年間の物語

【見どころ2】世代ごとの“揺らめき”を表現する3人のキャストに注目

小学生、高校生、大人とそれぞれの「遠野貴樹」を演じる3人のキャストが、自然とつながっているように見えるところもポイント。それぞれの年代が持つ揺らめきやまっすぐさを見事に表現した、3人の貴樹を紹介します。

映画『秒速5センチメートル』より遠野貴樹(松村北斗)

松村北斗(大人の貴樹)

都内でソフトウェア開発会社に勤めている。人と深く関わらないようにしていて、同僚からも気をつかわれている。
<心の一部を思い出の中に置いてきてしまったような、たたずまいが印象的。さみしげな表情にひきつけられます>

映画『秒速5センチメートル』より高校生時代の遠野貴樹(青木柚)

青木柚(高校生時代の貴樹)

種子島で高校生活を送っている。東京から来たということで、地元の同級生とは少し違う雰囲気をまとっている。
<子ども貴樹と大人貴樹をつなぐ重要な役割。子どもじゃないけど大人になりきれてもいない、ちょうど間の貴樹を微妙に調節されていて、うなるほど演技が上手かったです>

映画『秒速5センチメートル』より幼少期の遠野貴樹(上田悠斗)

上田悠斗(幼少期の貴樹)

東京の小学生。親が転勤族のため、引っ越しを繰り返している。
<オーディションで抜擢され、この作品がデビュー作となる11歳。ちょっと内気だけど明里には心を開く貴樹をフレッシュに演じています>

【見どころ3】原作の世界観を大切に、さらに広がりを感じる映像

映画『秒速5センチメートル』より輿水美鳥(宮﨑あおい)と篠原明里(高畑充希)

アニメーションの原作ファンも多いこの作品。しかも新海誠監督のアニメが実写化されるのは初とあって注目を集めていますが、スタッフ、キャストともに原作の世界観を大切に映像化したのが伝わってきて感動します。

映画『秒速5センチメートル』より澄田花苗(森七菜)

星や宇宙、電車などの象徴的なモチーフのちりばめ方、小田急線の踏切、雪の中で咲く桜、種子島の海といったロケーション、またコマ割りやディテールからひしひしと原作愛を感じるのです。

映画『秒速5センチメートル』より小川龍一(吉岡秀隆)と遠野貴樹(松村北斗)

1時間3分の連作短編集だったアニメーションを約2時間のドラマにするにあたっては、貴樹や明里の人物像をさらに深め、アニメでは描かれていなかったような周囲の人々との関わりも描くことで、より2人の人間性や思いが浮かび上がってくるような脚本になっていました。なのでもちろん原作を知らない方も、貴樹が大切な何かを探し続ける18年間の物語として新鮮な気持ちで楽しむことができる内容になっています。

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この記事を書いた人

富田夏子

ライター/映画ごはん研究家 富田夏子

エンタメ&フード分野が得意なライター歴20年の経験を活かし、「映画ごはん研究家」として “映画とごはんをつなぐメディア”をSNS上で運営。映画と食に関連する情報や体験をシェアしている。
雑誌やWEBへの映画レビュー連載歴は13年で、俳優や映画監督のインタビューを多数手がける。料理取材の試食は残さず食べる食いしん坊。

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