腸内環境のよしあしには、
食習慣が関わっている
腸内環境を作るのは日々の生活習慣だ、と辻先生は言います。「免疫機能は20代をピークに低下していきます。しかし、ピークの高さや低下の仕方も人によってまちまちです。それは、腸内環境の状態が人によって大きく異なるから。
腸内環境を形成する要因としては、遺伝的要素もありますが、大きく関わっているのが生活環境です。生後まもない赤ちゃんの腸には、腸内細菌はほとんど存在しません。その後の生命活動において、環境や習慣を通して徐々に獲得していくのです。
腸内環境は、年を重ねてからも変化していきます。もちろんそれまでの積み重ねはあれど、生活習慣を見直すことでいつからでも改善することができるのです。
具体的な習慣として、食習慣の改善、良質な睡眠、ストレス発散、運動習慣などが挙げられます。どれも免疫機能を守るためには大切ですが、いちばん取り入れやすく効果的なのが食習慣の改善です。食べ物の腸内環境への影響は大きく、免疫機能は日々の食事で作られていると言ってもいいでしょう。
腸にいい食べ物を積極的にとることが免疫機能向上への近道です。次回、具体的な食べ方についてお話ししていきます」
心身のストレスが、
腸内環境にも影響する
腸は、免疫系、神経系、内分泌系の3つ経路を通して全身と連携をとっています。連携先として特に注目されているのが脳。腸と脳が互いに影響し合っていることを表す「腸脳相関」という言葉もあります。脳がストレスと感じるとそれが腸に伝わり、腸内環境に悪影響を及ぼします。精神的ストレスだけでなく肉体的ストレスも影響を与えるので、激しい運動後などは免疫機能のケアが必要です。
イラスト/碇 優子 取材・文/平井薫子
※素敵なあの人2024年10月号「免疫を鍛えて維持する食習慣」より
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