東京ビエンナーレ2025
お散歩しながらアートを発見!
ゆったり歩けば心と身体が作品の息吹を感じ始めます
鑑賞者へのメッセージを大きく掲げるというよりも、今回のテーマである“おさんぽ”のように、街中にアートを染み込ませ、より多くの人々にとって表現に触れられる展示や鑑賞方法に主眼が置かれているのが、特徴的な芸術祭です。鑑賞する方々も、自分たちの存在や反応があるからこそ、アートそのものが成長していくことを、ぜひ実感していただきたいですね」(名古さん)
国際都市東京でアートは人々をつなぎ未来を描き出す。さまざまな出合いを「私たち」として共有することを目指す芸術祭。参加アーティストの公募では全世界から1400組以上にもおよぶ応募があった。
【開催概要】会期:2025年10月17日(金)〜12月14日(日)、会場:拠点展示/東叡山寛永寺、エトワール海渡リビング館、展示エリア/上野・御徒町エリア、神田・秋葉原エリア、水道橋エリア、日本橋・馬喰町エリア、八重洲・京橋エリア、大手町・丸の内・有楽町エリア、参加作家・団体:37組、総合プロデューサー:中村政人、主催:⼀般社団法人東京ビエンナーレ
東京・神田界隈には、関東大震災後に建てられた「看板建築」と呼ばれる、木造建築の正面をタイルや銅版などの不燃素材で覆ったノスタルジックな店舗兼住宅が残る。東京ビエンナーレではこれまでにも看板建築を舞台にさまざまなアートプロジェクトが展開されてきたが、今回はよりその魅力を伝えるため建築家の藤森照信氏によるレクチャーや、海外連携プロジェクトが展開される。
「リンケージつながりをつくる」がテーマだった2023年の展示、ペドロ・カルネイロ・シルヴァ&アーダラン・アラム「フリーシート」。キーボードとヘッドホンつきの椅子が街中に置かれ、座った人それぞれに即興で音楽が奏でられた。
2023年に台東区・寛永寺で行われた特別プログラム「田中泯・柳家喬太郎場オドリと場ラクゴ」。今年、創建400年を迎える東叡山寛永寺では、今年もさまざまな展示が予定されている。
撮影:池ノ谷侑花(ゆかい)
構成・文/杉村道子
※素敵なあの人2025年10月号「好奇心の扉 現代美術を見に行こう!国際芸術祭の歩き方」より
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